エイドサポートマニュアル

最近色んな方からのエイドサポートを依頼される様になると同時に、エイドサポートの仕方を聞かれることも増えて来ました。
と言うことで、エイドサポートをする際に必要な準備を解説したいと思います。

以前こちらの記事で「ウルトラトレイル」のエイドサポートの仕方をアップしましたが、今回はそこまで長いエイドサポートではなく1日で終わる一般的なイベントなどのエイドサポート方法をご説明します。

https://chain-runner.com/aid-support-know-how/

エイドサポート事前確認事項

エイドを依頼された際の確認事項として、いつどこでと行ったスケジュールとフィールドは当然ですが、何箇所くらい、どのポイントで、何人くらいが、どのくらいのタイム差でなど色々と詳細を確認する必要があります。

実際に僕がエイドサポートに入る際に確認する点をまとめていきます。

コースMAPをもらう

まずは当日のコースマップは必須でもらいます。
主催者が当日のコースを試走してSTRAVAやYAMAP、Garminなどでログを残していると思いますのでそのコースMAPデータをもらいましょう。
理想を言うとGPXファイルをもらうのが理想です。

GPXファイルはヤマレコTrailNoteが有名かと思いますが、僕はTrailNoteを使ってます。
GPXファイルを使うとこんな感じで、距離と標高などがかなり詳細に分かります。

GPXファイルの使い方はググると出て来ますのでここでは解説しませんm(_ _)m

なぜGPXファイルをもらったほうが良いかと言うと、GPXファイルはGoogleMapに落とし込むことができます。
GoogleMapは登山道などは基本的に表示されずナビでも案内されません。
ですが、GPXファイルを落とし込むことで、ルートがしっかり表示されるので、選手がどこを通るか一目瞭然で、エイド設営ポイントに非常に役立ちます。

この写真は8月中旬にエイドサポートを依頼頂いた方からGPXファイルを頂き、それを元に自分でGoogleMapにインポートし、実際にエイドポイントを落とし込んだものです。
※青いピンの部分にエイドを設営しました。

GoogleMapにGPXファイルのインポートの仕方もググれば出て来ます。
「GoogleMap GPXファイル 読み込み」などで検索しましょう。

僕はこのMAPを元に、GoogleMapの航空写真とストリートビューを駆使してエイド設営できるポイントを探します。

エイドポイントの確認

GoogleMapにGPXファイルのインポートが終わったら、次に実際に設営するエイドポイントの確認に入ります。
僕の場合は何km毎にエイドポイントが必要なのかを聞き取り、GPXファイルを元に指定のkm数進んだポイントとGoogleMapのポイントを確認してエイドが出せそうなところがあるかを確認します。

また、この時に重要なのが単純に何km毎だけではなく、GPXファイルでは等高線もしっかり確認できるので「この山越えるのは相当しんどそうだな」と思ったポイントがあればこちらから、「この山かなりきついので山の手前のこのポイントにもエイド出しましょうか?」と提案もします。

実際に、下記写真では右上の青いポイントが最初のエイドポイントで、左下の青いポイントが次のエイドポイントでした。
この日は気温が37度と相当暑かったので、打ち合わせしてなかったですが、約1km手前の緑文字部分の「鹿川水源地公園」にも急遽向かい給水ポイントを設けました。

この様に指定された区間のエイドポイントと、予備のポイントを設けておくとより安全性が高まるのと、選手の安心感も増します。
何より喜ばれます!

また、公園などは短時間のエイド設営は問題ありませんが、公道上や敷地内は許可を取ったほうがトラブルを避けられます。
僕の場合はコンビニやスーパーなどの駐車場をエイドポイント に設定することが多いです。
理由としては、そこで買ったものを使う前提でお店の責任者の方に「今こういうイベントしてまして、何人くらいが10分ほど休憩で駐車場のこの区画を使いたいのですが貸して頂けませんでしょうか?」と、リスク管理と売上貢献を前提に話すとまず断られることはありません。

お互い
もちろんピークの時間帯は外します。
無許可でやると不要なトラブルが起こるので事前に許可を得るほうが間違いなくいいです。

参加人数とペース確認

参加人数はエイド物資に直結するので、最終的に何人参加になるか確定の参加人数を物資調達前に必ず行います。
また、グルグル系のイベントの場合などは何回通過予定かも確認しておきましょう。

次に、エイドポイントへの到着予定時間を大まかに確認しておきましょう。
少人数イベントの際は、全体が一時間で何km進むペースで行くのか。
人数が多い場合は、トップ選手とボトム選手のエイドの到着予定時間を。
人数が多い場合で複数箇所エイドを設営する際は、選手の間が開きすぎると次のエイドポイントに間に合わない可能性が出て来ます。
必ず無理の無い、余裕を持ったスケジュールにしましょう。

途中足りなくなるものや、ガソリンの給油、自分のご飯休憩などある程度時間的余裕がないとかなり厳しくなるので全体のペースの把握は本当に重要です。
ですので主催者、トップ予定の選手、ボトム予定の選手とはGoogleMapでもいいので位置情報共有は必ず行なっておきましょう。

GoogleMapの位置情報共有はリアルタイムで行われますが、電波の入らないところに行くととんでもないところに位置情報が飛んだりします。
ですので、その時は10数分まって確認し直しましょう。
お互いの位置情報がわかるだけでも安心感が増しますし、確認行為が減らせますのでお互いストレスなく集中できます。

エイド物資確認

一番重要な部分です!
飲み物、軽食、その他必要なものを一つずつ確認していきます。
予算次第ですが個人的に用意したほうが良いと思うものを項目毎に解説していきます。

飲み物

水、スポドリ、麦茶は必ず準備しましょう。
僕はスポドリはドラッグストアで比較的安価な粉末タイプを、麦茶は水出しできるパックタイプを買い、ジャグに入れて提供します。
理由は調整がしやすく、金額も安いから。

ジャグの中身は書いておきましょう。

本当は水もジャグに入れた方がいいけど、僕は2つしか持ってないのでペットボトルのまま置いてます。
コーラはあると喜ばれますが、地味に数十円値段が上がるので本数買うと意外と予算を圧迫します。
依頼主と要相談ですね。

また、暑い時期はジャグに入れる飲み物には氷を入れて冷やしておくとものすごーーーく喜ばれます。
僕は100均のジップロック風の袋に水を入れてまる2日凍らせ、アイスピックでジャグに入る大きさに大きめに砕いて入れてます。
細かくすると溶けやすくなるので大きく砕いた方が良いです。
ちなみに凍らせる水は量が多いと1日ではしっかり固まらないので、二日間かけて凍らせましょう。

軽食

甘いものとしょっぱいものが必要ですが、季節によってかなり変わりますので分けて解説します。

まずは温かい季節から。
甘いものはチョコは溶けるのでお勧めしません。
スーパーのお菓子の大袋コーナーにあるミニドーナツやお餅系が意外と人気です。
しょっぱいものは、口の水分持っていかれるせんべいなどはあまり人気がありません。
ポテチが妥当かと思います。
菓子パンもあんまりウケが良くないので、梅干しのおにぎりなどがいいですね。

一番おすすめは素麺です!
湯がいた素麺を水を切ってタッパーなどに入れておき、現地で水を入れほぐして紙コップに入れて食べてもらいます。
ツユは魔法瓶などに冷やして持っていくと、最高に美味しいです!
ただ、さらっと食べられかなりおいしいので意外と量が必要になりますので、大人数のイベントには不向きですね。

フルーツはスイカが最も喜ばれます!
選手のテンションがわかりやすく上がるので、予算に余裕があればスイカは本当におすすめです。
甘いプチトマトも喜ばれます。

次に寒い季節。
甘いものはチョコレートや菓子パン、ホットコーヒーやココア、生姜湯など体を温める飲み物は喜ばれます。

しょっぱい物はやはりラーメンですね。
とんこつやニンニク系は舌に臭みが残るので、チキンラーメンや醤油、味噌ラーメンがお勧めです。
袋麺の安すぎるものは美味しく無いものが多いので、中間くらいの金額のものか、ご当地で人気の袋麺がいいかと思います。
寒い時期はお米が硬くなりやすいのでおにぎりはあまりお勧めはしないです。
上からカレーなど温かいものをかけられる場合は問題ありませんが♪

フルーツはバナナがいいかと思います。
みかんは食物繊維が多く消化にエネルギー使うので、長いイベントのエイドには向きません。

その他必要なもの

まずは、エイド物資を置くテーブルですね。
前にも紹介しましたが、このテーブルがかなりお勧めです!

「コストコ 折り畳みテーブル」で調べるとたくさん出て来ます。

このテーブル自体は重くて、折り畳んでも大きいですが安定感が抜群です。
キャンプ用の折り畳みのテーブルは、ドリンクを何本も置くとかなりぐらついたりするので。。。

次に紙コップや紙皿、割り箸やゴミ袋といった消耗品です。
エコの観点からいくとマイカップ持参を義務付けたいところですが、事前に紙コップ準備しないと明言しても忘れてしまう方はいるので、少しは持っていきます。

ゴミ袋は燃えるゴミ、燃えないゴミなど地域のゴミ出しに合わせた分別用で準備しましょう。
終わってからの分別は本当に手間ですので・・・。

他にあった方が良いものとしてはガムテープや養生テープです。
テーブルにゴミ袋を固定したりと何かとあると便利です。
あとは、虫除け、虫刺されのクリーム、消毒液や絆創膏などですかね。
選手のもしもに対応したものがあるとエイドの価値が高まります。

予算の確認

エイド物資は参加費などからまかなうと思いますが、サポートする人のガソリン代やお弁当代、謝礼金(日当)などは必ず確認しておきましょう。
今までの経験上、一人500円徴収すれば最低限のエイド物資は揃えられ、1,000円集められると選手も大満足なエイドは準備できます。

僕は仕事のPRも兼ねていくのでガソリン代やお弁当代、謝礼金を要求することはありませんが、一般の方はかかる経費はしっかり生産した方がお互い気持ちよくイベントを終えられると思います。

エイド物資の調達と必要量

先に説明した必要物資をどのくらい準備するか。
これが結構難しい部分です。
季節やその日の気温や天候によってもかなりばらつくので、あくまでも目安として僕はこんな感じで準備してます。

  • エイド用の飲み物:紙コップ1杯約120ml、1回のエイドで一人が飲む平均回数2〜3回。
    →120ml×2〜3回×参加人数×エイドの数(ゴール地点も含む)がおおよその必要量。
    ※飲む回数は季節や気温で変わるので、冬場などは2回、夏場などは3回計算にしてます。
    ※スポドリと麦茶は2Lづつ作り、様子を見ながら追加で作ります。
  • 軽食:一人当たり3口前後。
    →菓子パンやバナナなど大きいものは一口大にカットしておくと管理しやすいです。
  • おにぎり:一人当たり小さめを1エイドで1〜2個。
    →1〜2個×エイド数×人数、がおおよその必要量。
    ※通常のおにぎりよりも小さめで2〜3 口で食べられるサイズに握る。

かなりざっくりとですがこんな感じで量を計算します。
フラスコに水を補給していく人もいますので、水を多めに準備しておいた方が良いでしょう。
僕は水代を節約するために、最初ジャグに入れる水は家の浄水器の水をたっぷり入れて持っていきます。
これで10L分は水を節約できますのでその分、エイド毎にフラスコに水を入れて持っていく人が多少多くても対応できます。
足りなさそうな時は途中買い足します。

また、物資を購入する際は地域最安値のドラッグストアやディスカウントストア、業務スーパーにいきましょう。
事前に普段の買い物の時に水の2L×6本1箱の金額など、エイドに使えそうなものの金額を確認しておくと「あそこのスーパーが水は安い!」と買い物のポイントが瞬時に判断できます。
僕の場合は頻繁にエイドサポートするのでたまに以上に安い特売日を見つけたら、後々使うだろうと考えて先に購入しておきます。

また、激安品は購入上限が設定されていることも多いので必ず何個までが安いのかはチェックしましょう。
飲み物など重たいものをたくさんカートに乗せてレジについたものの、金額が上がってまた戻さなきゃ・・・という作業は何気にしんどいですので。

大まかにですがこんな感じでエイドサポートの内容を決めて当日に臨んでいます。
当日の天候や選手のコンディションによって、エイド短縮する箇所や増やす箇所なども出て来たりもしますので、当日も主催者と細かくコミュニケーションをとり意識をすり合わせておくとより良いです。

何か質問などあればお気軽にコメントください。

INNER-FACT 代表INNER-FACT 代表

INNER-FACT 代表

INNER-FACT代表の首藤(シュトウ)。 一部関西ではくびふじと呼ばれます。 基本的にはトレイルやランはソロでしかやらず、イベントや大会ではエイドなどスタッフ側で参加しています。

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