足指異常の種類
まず、ご自身の足指の状態を知りましょう。
現代人の足指は「外反母趾(がいはんぼし)」「内反小指(ないはんしょうし)」「浮指(うきゆび)」「屈み指(かがみゆび:ハンマートゥ)」「寝指(ねゆび)」のいずれかの異常があります。
女性の多くは外反母趾や内反小指の悩みを抱えているかと思います。
外反母趾と内反小指の原因
ヒールやパンプス、革靴などつま先部分にかけて細く作られている履き物を長年履き続けることが大きな要因と言われております。
これらの症状が進行すると親指や小指が隣の指の下側や上側に重なり歩く際に違和感や痛みを感じてきます。
正常な足指はこのような感じで足指の付け根から指先までまっすぐ整っています。
外反母趾と内反小指は症状を自覚しやすいので知っている方も多いですが、「浮指」「屈み指」「寝指」は自覚症状のない方が大半です。
寝指と屈み指の原因
寝指は写真左の小指部分に起こりやすく、指先の爪部分が若干外側に屈曲している状態です。
屈み指はハンマートゥとも言われ、写真右の様に常に足指の関節が曲がってしまっている状態です。
どちらも大きな原因として足に合っていないシューズや小さめのシューズを長い期間履くことで症状が進行していきます。
最後に浮指ですが、自覚がなくても90%以上の人が実は浮指の症状があります。
浮き指の原因
浮き指は名前の通り、指が地面から離れている状態で、リラックスした状態で直立し足指と地面の間に紙がスッと入る場合は浮指です。
これはシューズの踵を踏んだまま歩いていたり、踵や鼻緒のついていないサンダルやスリッパのような履物を日常的に履くことで症状が進行します。
踵がついていない履き物で歩くと脱げそうになるので、足指を上向きに広げて脱げないような不自然な歩き方で長時間過ごすことが要因と考えられます。
INNER-FACTでは今まで数千人の選手や一般の方々の足指を見てきましたが、全く問題のない美しい足は残念ながら記憶にありません。
隠れた現代病でもあり、この足指の改善にアプローチすることであらゆる怪我やトラブルの解決が期待できます。
マッサージボールの使い方
まずマッサージボールを準備します。
ゴルフボールやテニスボールなどでしている方もいますが、ゴルフボールは硬すぎで痛みが大きいのであまりお勧めはしていません。
また、テニスボールは大きすぎ効かせたい部分しっかり入らないのでこちらもあまりお勧めはできません。
基本的にマッサージボールは足の裏で踏みつけ使用して頂きます。
何も考えずにふみふみコロコロするだけでもマッサージ効果もあるのですが、より効果的な使い方をご説明していきます。
足の裏には3つのアーチがあります。
この三つのアーチを意識してマッサージボールを当てていきます。
まずは、内側縦アーチ。
写真赤丸部分の土踏まず部分に効かせていきます。
裸足になりマッサージボールを床に置き、土踏まず部分に当たるように配置してかかとをつけます。
その状態でゆっくり痛気持ちいいくらいまで体重をかけて足指を10回グーパーします。
終わったら優しく足の裏全体にマッサージボールをコロコロします。
次は、横アーチ。
横アーチは足の指を曲げた状態で足の裏を見ると自然と凹みができると思います。
この凹みの部分にマッサージボールを当てて、踵をつけた状態で先ほど同様体重をかけていき足指を10回グーパーします。
終わったらまた、同様に優しく足の裏全体にマッサージボールをコロコロ。
最後に、外側縦アーチ。
このアーチがしっかり形成されている人は非常に少なく、アーチ構造も見た目にわかりにくいです。
写真の赤丸部分にマッサージボールを当てて、同様に足指を10回グーパーと終わったらマッサージを行います。
これを両足3セット毎日行いましょう。
ランナーだけでなく立ち仕事や座り仕事で足が浮腫みやすい方、外回りで足の疲労がなかなか抜けない方などもこれをするとふっと足が軽くなると思います。
また、アーチの形成だけでなく足指を意識的にしっかり動かすことで足指の可動域も大きくなっていきます。
合わせて足指の体操として足の指を広げて伸ばす「ひろのば体操」を行うことでより効果が高まります。
期待できる効果
マッサージボールを使用する大きな目的は「足のアーチの形成」と「足指を正常に動かす」ことになります。
足のアーチの役割はご存知の方も多いでしょうが、クッションの役割を果たします。
日常生活の歩行やランナーの着地の際の衝撃。
トレイルランナーやウルトラランナーになると走る距離や登り下りの高低差も加わるため、その衝撃は計り知れないダメージが蓄積されます。
日頃から足のアーチの形成を意識してマッサージボールを使用することで、日常疲労のリカバリーと、アーチ形成によるクッショニング効果で膝や腰など関節の負担軽減が大きく期待できます。
意外と軽視されがちなので「足指の働き」です。
足指には「抗重力筋」と言われる、姿勢を保持する筋肉が備わっています。
わかりやすく説明します。
リラックスした状態で姿勢を正し直立してください。
その状態でゆっくりと身体を前傾させていくと、倒れないように足指が踏ん張り働き始めます。
同様に左右に体の重心を移動させると本来であれば小指がしっかり働くはずです。
ここで小指が働かない人は浮き指や寝指など小指の異常、もしくは足指をグーパーしたり広げたときに小指が動かない人が大半です。
足指の働きが悪いと、その分関節や筋肉で体のバランスを保とうと制御が働きます。
本来足指でバランス制御ができていた場合は小さな力で制御が効いていたはずですが、そこで制御ができなかった場合は大きくバランスも崩れてきているため、関節や筋肉には本来かからずに済んだ大きな負荷が加わってしまうことになります。
運動をする人、特にランナーにとってこの小指の働きをしっかり効かせることが出来たら、エネルギー効率の向上、怪我のリスクの軽減、が期待できます。
特に捻挫に関しては小指の制御が重要になてくるので、小指の意識はそのほかの指よりも大きな役割を果たします。
また、足指がしっかり効くことで左右のブレが安定することでエネルギーロスの軽減も期待出来ます。
まずは足指のグーパーがしっかりできるようになること。
足指がしっかり動くようになると、手を使わずに足の指を組むこともできる様になります。
マッサージボールと一緒に日常に取り入れやすいアイテムはこの「足半(あしなか)」と呼ばれる室内履きの履き物。
気になる方はコチラで詳しく説明してます。
毎日のマッサージボールケアで足指をしっかり使い、運動している人はパフォーマンスの向上。
一般の方は姿勢が綺麗になり関節痛などの軽減。
色んな効果が期待できるので、マッサージボールを取り入れた生活をお勧めします。