クマン100~コースプロデューサーが伝える完走指南~

どうも、アフターサウナ前田です。
今回は自身がコースプロデューサーを務める「クマン100」について記事を書かせていただきました。
「クマン100」とはなんぞや?攻略ポイントは?練習はどうしたらいいんや!?
前田がこのコースを作った意図も含めて解説できればと考えております。
『For the 1st 100mile』
はじめて100mile挑戦という方からすると不安も大きいかと思いますが、
この記事が少しでも100mile挑戦の支えになれば幸いです。

レースの概要

まずはどんなレースなのか概要です。
ホームページの抜粋になりますが以下のような内容です。

開催日:2023年6月10日(土)~11日(日)
開催場所:広島県江田島市切串4丁目18
Hawk Nest Family Village -ホークネストファミリービレッジ-
距離:100mile(約160㎞)
累積標高:約6000m
コース:20㎞ 累積750mの周回コースを8周
制限時間:35時間
ITRAポイント:5ポイント/UTMB INDEX:100mile category
エイド:会場に1カ所、コース上に2カ所の計3か所
デポバック:会場においてOK
ペーサー:5周目からOK
定員:50名
参加費:11,000円(再チャレンジ枠は割引あり)

クマン100 | for the 1st 100mile Race (inner-fact.co.jp)

クマン100公式サイト

その他詳細は公式サイトをご覧ください!
ざっくりいうと、20㎞のコースを8周する100mileレースです。
周回コースなので1周ごとに立て直しがしやすいこと、加えてロード比率を高めにしているので
完走に向けた計算がしやすいという特徴があります。
昨年からの大きな変更点はペーサーを付けられるところですね。
筆者は50mileのレースで意図せずペーサーをしてもらった経験がありますが、
ペーサーがいるだけでなんと楽なことか…
初めての100mile挑戦時にペーサーがいると心強いかと思いまして今回より導入しました。
そのあたりは攻略の大きなカギになるかもしれませんので後述で触れていきます♪

コース紹介&アドバイス

トレイルランのレースで最初に気になるのが距離と獲得標高(標高図)かと。
走るうえでのアドバイス含め紹介させていただきます。

コースマップ&標高図 

リンクはこちら☞ https://inner-fact.co.jp/kuman100/course/

標高図をみればお分かりかと思いますが、前半はトレイルパート、後半はロードパートとなっています。
メリハリしかないです。
そしてトレイルパートは入り口は急登、出口は舗装された階段という苦行!w
その代わり縦走区間は比較的走れるコースです。(比較的、コレ大事。)
標高図のところに赤丸で番号を振ってますので、こちらを目安に紹介していきます。

会場~①

スタートして2㎞弱ロードを走ってクマン岳の登山口を目指します。
最初は海岸線、フェリー乗り場、住宅地と通るのですが、住宅地の中腹ぐらいから走るのがしんどい傾斜になります。
完走を目指すなら1周目からここは歩きでOKです。普通にきつい傾斜ですw

①~②~③

待ちに待ったトレイル区間!しかし、クマン岳の山頂まではほとんど走れません
なのでここは無理に力を使わず、歩幅を狭めて省エネで歩きましょう。
走力のあるランナーであれば急登終わりの②以降は走ろうと思えば走れます。
が、焦らずじっくり行くことをお勧めします。
加えてちょっとした下りで走れるかと思いますが完走目的なら走らなくていいです!
走れそうな区間でも速く歩くことにフォーカスした方がいいんじゃないかなと思います。

登山道の入り口 しっかり歩きましょう!笑

③~④~⑤

クマン岳から古鷹山に向かうトレイルは一部舗装されているものの、気持ちよく走れるトレイルです。
下り基調なので衝撃が大きくならないよう注意。
特に階段の段差が大きく膝、大腿四頭筋、腰へのダメージが怖いところ。
あと少しテクニカルなトレイルというイメージですかね。
下りきると④を通過、一度舗装路に出ます。右手に50mほど進むと古鷹山の登山口があり登り返しが始まります。
ここも走れる箇所は少ないですかね…歩幅を意識して丁寧に歩きましょう。
登り切ると気持ちよく走れるトレイルに♪
しかしながらメジャールートを進んでいる途中、左手に曲がり一度古鷹山を下っていきます。
見落とさないように要注意です!
というのも古鷹山のピークを取ると、下りで鎖場に当たってしまいハイカーさんとの渋滞も起こしてしまうため
このレースではわざとマイナールートでピークを迂回しています。
決して参加者を悶絶させたいためではありません😂
迂回路は最初木段で下り、後半は気持ちよく走って下れる区間となります。

瀬戸内の多島美を満喫できます!

⑤~⑥~⑦

⑤の部分で一度ロードに出ます。ロードで300mほど下り、トレイルで登り返していきます。
基本走れない登りです。ここも丁寧に歩くことをおススメします。
1周目、2周目は頑張れば多少走れる区間もありますが、その頑張りが後々ダメージとなって降りかかってきて、
心を折りに来ますwww
序盤の貯金はレース全体で見たら借金になる可能性も高いので気を付けてください…
登り返しが終わって⑥を通過したのち傾斜のきつい下りが始まります。
トレイルの一部はコンクリートで舗装されています。ですのでスピードを出しすぎるとかなりダメージが残ります。
気持ちよく飛ばしたい気持ちをぐっと抑えるのが吉かと。
特にエイドまであと少しというところで出てくる階段は要注意。気を抜いて勢いのまま下ると、後半太ももの踏ん張りが効かなくなること間違いなしです…

⑦~⑧~会場

古鷹山登山口のエイドを出てからは会場まで延々とロードが続きます
道中は海上自衛隊の敷地が見えたり、美しい海岸線を走ったり、牡蠣殻と薫り漂う世紀末ロードを走ったりと、
最初の一周は様々な要素を楽しんでいただけるかとw
2周目以降は自分の中でモチベーションを作って頑張りましょう🤔
平坦な道がほとんどですが地味にアップダウンがあります。
登りがキツイところもあるので、歩きを混ぜるのもありです!
そうすることで足のだるさが取れたり、使う筋肉を分散できますので♪
ただし平坦と下りは走りましょう。どんなにトレイルを頑張っても平地が走れなくなると途端に周回のタイムが悪くなります。
トレイル区間は無理せず歩いて、ロード区間の平地と下りはゆっくりでもいいから走る。
当たり前のことですが欲張らずに自分のできる範囲でやることが完走への道だと思います。

昨年の参加者は嫌というほど苦しんだ世紀末ロード…w

レースプラン

20㎞を8周で100mile。周回レースの場合は1周のタイムを目安にしやすいためレースプランを立てやすく、アクシデントの際にも立て直しがしやすいという特徴があります。
昨年完走された方のタイムを参考にしながらレースプランを紹介します。
今回は完走を目標にされている方に向けた構成とさせていただきます。
サブ24、サブ30といった目標であれば別のアプローチとなりますのでご容赦ください。

1周目はとにかく抑える!

このことを声を大にして言いたかった!笑
というのも昨年は招待選手を筆頭にウルトラやミドルレンジで結果を出しているランナーが多く参加しており、
それに引っ張られる形で全体的に1周目のタイムがかなり速かったです。
初めての100mileで最初に飛ばすのはご法度…
ミドルレンジでは通用しても、100mileでは壁にぶち当たる様子をたくさん見てきました。
このスピードで100mile走り切れるのか、自問自答しながら走りましょう。

周回ペースをイメージしよう!

個人的にはUTMB INDEXを目安に周回ペース、フィニッシュタイムを設定いただくとある程度信頼がおけるかと思っています。
表にしてみましたので参考にしていただければ幸いです。

前田考案のペース表

UTMB INDEXについては無料登録のみで自身のスコア確認と、様々なレースのリザルトとそのスコアを見ることができますので、ぜひ登録をお勧めします。
筆者はレースの計画を立てるときに結構参考にしています。

https://utmb.world/races/33198.kuman100100mile.2022

登録すれば上記のリンクから昨年の「クマン100」の結果とINDEXの確認ができますよ♪
表のペースについてはあくまでも一般的かつトラブルなどが起こっていない想定のタイムです。
昨年のレースリザルトからフィニッシュタイムがおおよそのINDEXスコアと近くなるように逆算して設定しました。
(正確なアルゴリズムはわからないので目安だと思ってください…)
しかしながらレースプランが前半型か後半型かでも大きく変わると思います。
例えば筆者がこのレースを走るとした場合は、以下のようなプランです。

前田が走る際のレースプラン

先に提示したレースプランから比べると、INDEX相当でいうと1周目がかなり抑えめです。
私、エンジンがかかるまでものすごく時間がかかるんです…
前半と後半の落ち幅が少ないのが自分の持ち味と自負しているからこそ、こんなペースを想定しています。
このように人によって計画が違うことはお判りいただけましたかね。
もちろん気温が高い場合は日中のペースをもう少し抑えるとか、雨場合は全体的に遅くなるとか、
その時の状況に応じて臨機応変に計画を変更する必要があります。
その際慌てず対応するためにもあらかじめ計画を立てておくことが重要かと。

ペーサーとサポートについて

付けられる方は付けましょう!特に初めての方は。
ペーサーについては今回5周目から可能としました。トップ選手も、後ろの選手もみんな夜に差し掛かっている時間帯です。
夜間は眠気もそうですし、注意力が散漫になり周回レースであってもロストしたり、視界が狭まり怪我のリスクも高まります。
前、もしくは後ろを走ってくれるペーサーがついていればどれだけ心強いか。
またペーサーをお願いすることで、「絶対にやめられない」という自分へのプレッシャーにもなるかとw
サポートについても同様で完走のためのサポートが実利を生むのはもちろんですが、精神的な支えとなるところが大きいかと思います。
実際のところどれだけシミュレーションして、試走したとしても本番ではイレギュラーが発生したり、体へのダメージから諦めそうな時が訪れる確率が高いです。
精神論を振りかざしたくはないですが、「気持ち」が問われる瞬間です。
そういったときにも力を貸してくれる存在がペーサーとサポートじゃないかなと思います。

大会に向けた練習

ここまででコースの紹介や、レースのプランについて記述しました。
が、レースプランを練っているだけで完走できるほど100mileは甘くありません
当然ですが練習が必要です。
ここからは筆者が考える「クマン100」対策の練習をご紹介します。

前田の年間計画表です。ここから更に月、週、日ごとにメニューを
前田の年間計画表。大会スケジュールを鑑みて月、週、日ごとにメニューを決めていく。

ロードに対応した脚作り

前述の通りロード比率が高いため累積標高に対して足腰に係る負担が大きくなります。
ですので、練習でロードにも対応した脚を作っておかないと本番で痛い目に会います…
筆者が練習をするとしたら以下のような内容かなと。

峠走
おもんない練習の代名詞ともいえる峠走。ですが効果は絶大です。
アップダウンのある舗装路を走ることで太腿と股関節回り、お尻の筋肉が鍛えられます。
峠走を繰り返すことで単調なロードでの刺激、痛みに耐えられる脚へと変貌します!(個人差があります🤔)
平地での練習よりも効率よくトレイルランに使う筋肉を鍛えられますのでお勧めです。
ポイント練で峠走をするなら…
距離:20㎞~50㎞ D+700m~2500M程度 平均心拍120~150程度
ぐらいの強度が目安ですかね。ダメージも大きいので疲労度と相談しながらやりましょう!

前田がやっている峠走の一例です。ここまで一か所にとどまる必要はありませんw

トレイル区間の練習

このコースの場合下りを頑張る必要はあまりないと考えています。
テクニカルな部分もあまりなく、スピードを抑えながら丁寧に走るぐらいがちょうど良いかと。
ただ登りは疲労が蓄積してくると全く進めないという方もいらっしゃると思います。
トップ選手でも絶対に疲れますw疲れた時にどう登るのか練習でイメージしておきましょう。
練習は以下のような内容です。

急登練
このコースは緩い登りを走るという区間はほぼありません!
ですので無理せずにじっくり進むことが完走の鍵になります。
練習では効率よく急登を上るための体の使い方を体に覚えさせましょう。
元気な時の上り方はいつまでも続きません。
峠走の最後に加えたりやトレイル練習の中盤以降に急登を持ってくることで疲労した状態で動かす練習になります。
動作の効率化もそうですが脚のダルさ、痛みなどを経験しておくことで本番でも気持ちを切らさずに進めると思います。
練習でするとしたら…
2㎞で300mUP3㎞で400mUPなどコースに近い登りの強度を練習時のデザートで♪
がむしゃらに登らず、100mileならどのように登るのかイメージして練習してみてください。
筆者の感覚では「ギリ鼻呼吸できないぐらい」です。

最後に

このブログがクマン100の対策に役立てば幸いです。
個人的には100mileレースに挑む際はここに書いたことを応用させて対応しているので、すべてのベースになるかと思います。
「初めての100mile挑戦を応援したい!」という思いから立ち上げたこの大会。
去年はINNER-FACT様のご協力、そして広島トレラン界の重鎮・小田さんをはじめとする多くの地元ランナーの方々のお力添えと、地域の方々のご理解により無事に開催することができました。
今年も江田島でたくさんの方の笑顔、そして悶絶する姿が見られること楽しみにしております😂

アフターサウナ前田アフターサウナ前田

アフターサウナ前田

広島生まれ、広島育ち、広島在住の33歳会社員。 アウトドアアクティビティとサウナをこよなく愛する男です。 学生時代は陸上競技で短距離を、社会人になってからはマラソン、そしてトレイルランに没頭。 トレラン×サウナの文化を広げるべく、「トレランアフターサウナ」のTシャツを着て各地に出没しています。

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