【コース難化】ONTAKE100Kでサブ14する方法

 2023年7月15~16日に行われた、OSJ ONTAKE100K、走ってきました。
 前回は100マイル部門に出場して完走。今回は100km部門です。
 ちなみに14時間を切ると、100マイル部門に挑戦できます。なのでこのタイムを目標にする方は多いです。

 100マイル部門の攻略記事は下記の記事からどうぞ。
 コースの概要も書いているので、合わせて読むとわかりやすいです。

 私の目標はサブ12でした。結果は12時間を少し越えてしまいました(総合20位)。
 努力感、手応えとしては11時間くらいの感覚にも関わらず……
 全体の結果を見ても、サブ10はたったひとりしかおらず、サブ14を達成したのは99人/1136人。
 上位10%未満しかサブ14を達成できていませんでした。
 どうしてこんな事態になったのか、まず書いていきたいと思います。

コースの著しい難化

 単純に距離が伸びました。
 2017年までは96km~98kmほどでした。2018年は中止。2019年は103km。
 そして2023年はついに108kmになってしまいました。
 2017年までと比べると10km以上距離が伸びています。これだと1時間~1時間半は多くかかってしまいます。

 調べてみると、2017年のサブ14達成者は239人。四人に一人はサブ14を達成できました。
 もはや別レースといっても過言ではありません……

 コースもきつくなっています。
 2022年からスタート会場起点の2周コースになったので、一度戻ってくることになります。
 必然的に山に入るまでのロードが長くなり、脚の負荷が高くなります。
 山に入ると一気に登り、一気に下る区間が多いです。従来は一度山に入れば峠走のように走りやすいコースでしたが、傾斜がきつい区間も多くなりました。

サブ14する方法

フルマラソン3時間程度の走力をつける

 これでやる気を失った方も多いと思いますが、今の修羅の国と化したONTAKE100を攻略するにはやるしかありません……
 ONTAKE100はトレイルランニングというより、ロードと林道が混ざったウルトラマラソンです。
 そうなると、やはりマラソンの延長線上です。つまり、フルマラソンの持ちタイムが如実に出ます。
 私は走りながら周囲のランナーに話しかけてデータ収集していたのですが、12時間くらいのひとは2時間50分を切ってるひとが100%でした。2時間40分切りのひともいました。私はそこまで速くないので、特異体質だったのだと思います。

 13時間半くらいでゴールした知人数人の持ちタイムはサブスリーもしくはその付近でした。
 14時間ギリギリを狙うのは、何かあったら終わりです。なので13時間半を目指すとすると、やっぱり「まずサブスリーしろ!」という、「力こそパワー!」みたいな頭悪そうな結論になってしまいます。
 ですが、これを目指すのが一番手っ取り早くわかりやすいと思います。フルマラソンの練習法は体系化されているからです。

ウルトラマラソンの走り方を身につける

 100kmのウルトラマラソンはEペースのイーブンペースで走るというのが基本戦術です。Eペースは結構レンジが広いです。サブスリーのひとは4分45秒~5分15秒くらいです。この真ん中くらいで走りましょう。
 サブスリーできるひとのEペースで走れば計算上13時間くらいでゴールできます。
 この強度でいかに押していけるかにかかっています。

下りの脚を作る

 このコースは走った後に夢に出てくるくらい下りが長いです(実際、完走後に昼寝をしたら夢でも下りを走ってました)。しかもロードが多く、脚への衝撃はすさまじいです。

 この対処法としては実際に林道を走るのが一番です。
 私は高尾山域の小下沢林道で練習していました。距離は約4.5km、累積300m、勾配6%の林道でこれを4往復していました。
 こういった林道を探してみてください。尾根に沿ったトラバース林道はどの山域でも結構見つかります。
 斜度はゆるいので全走りできます。下りももちろん全走りで、下れる脚を作ります。これは階段やトレッドミルではできません。
 林道に行くまでに5kmほどかかるので、往復で10kmになります。林道と合わせると約50km累積1500mほどです。これを前述したようにEペースで走ります。

トレッドミルの活用法

 登りの練習はトレッドミルでもできます。斜度6%くらいにして淡々と走りましょう。10%はいらないです。その斜度だと歩くからです。そのくらいでも間に合います。
 坂練習は階段でおこなうひとが多いと思いますが、やっぱり斜度がありすぎます。トレッドミルがおすすめです。

タイムテーブル

 1周目6時間~6時間半
 2周目7時間

 これが現実的だと思います。

実際どう走るのか

 下りと平地は全部走っています。
 ゆるい登りはできるだけ走りますが、疲れてきたら躊躇なく歩きに切り替えて疲れないようにします。
 基本的に心拍数に連動してるので、心拍計頼りで構わないです。Eペース心拍数を越えそうになったら、落ち着くまで歩いていました。

 私の場合は60km過ぎると、Eペース心拍数に達しなくなりました。明らかに疲れています。
 そこから登りは、「このゆるい傾斜なら走れる」、「この斜度はきついから走らない」と、考えなくても身体が自動的に動くようになりました。走りにリズムができてくるとこうなります。林道フロー状態です。
 ONTAKEを修行走と呼ぶひとが多いのはこの状態を指しているのかもしれません。

 下りはキロ5分半~6分で刻めれば十分だと思います。とにかく下りが長いので下れる脚がないとタイムが縮まりません。

 100マイル部門の攻略記事ではストックを使いまくれと書きましたが、100kmは使っていると間に合わない可能性が高いです。相当上手く使わないと足枷になります。
 ストックを装備してる選手を見かけると、「ストックって使ってますか?」となるべく聞いていたのですが、返ってくる答えは「使ってない」がほとんどで、「持ってこなければよかった。マジで邪魔」とまで言ってるひともいました。
 使えそうなポイントをあえて挙げるとすれば、1周目30km過ぎの急登と、2周目最初の登りと第二関門の水交園関門を過ぎた長い登りだと思います。

装備を考える

 私は、「これ、ウルトラマラソンじゃん」と気づき、だったら装備も変えるべきと判断して、軽量化しました。
 具体的にどうしたかというと、ザックを背負うのをやめてウエストベルトとハンドボトルにしました。
 ウエストベルト、ハンドボトルバンドはインナーファクトのものを使いました。ボトルはウルトラスパイアの600mlハードボトルです。

 メリットとしては、ザックで背中を覆わないので圧倒的に涼しいことです。暑いときは明らかな恩恵があります。実際、夜が明けてからかなり暑くなりました。
 もうひとつのメリットは自然と軽量化思考になることです。必携品と食料をいかに収納するか考えるので、自然と余計なものは持たなくなります。
 小型のザックを選ぶと自然と軽量化のスキルが上がるのとよく似ています。

 デメリットとしては手が塞がることです。
 しかしずっとロードか林道なので木の枝を掴んだりパワーウォークで脚を押すことはなく、手が塞がっていても特に困ることはないです。
 もうひとつのデメリットは、ウエストボトルに必携品や食料を詰め込むことにより、腹部が圧迫され、お腹の調子が悪くなる可能性があることです。これは個人差があると思います。

 ハンドボトルは、一見使いにくそうで、ピーキーな印象を持っている方が多いと思いますが、ロング走や先述した林道練習のときなどに一度試してみてください。
 使っていく内にいかに疲れないように腕を振るか身体が反応してくれるようになると思います。

 必携品と食料です。目が悪いのでライトは頭と腰の二灯です。

 このように必携品+食料は収まります。前ポケットに食料を入れています。
 レインジャケットはウエストベルト後方のバンジーコードで止めています。
 腰ライトはベルトの上部に巻いています。

 こんな状態で走っています。
 一見身軽に見えますが、ゴール後にパンパンに詰まった荷物を次々と取り出していたら、「ドラえもんか!」と突っ込まれました。
 インナーファクトのウエストベルトとハンドボトルバンドは、こんな過酷な状況を想定しているのか分かりませんが、しっかり耐えてくれましたし、ストレスも感じませんでした。

まとめ

 このレースはトレイルランニングとウルトラマラソンが混ざり、独特な雰囲気に包まれた、まさに「ONTAKE」としか言えないような唯一無二の魅力的な大会です。こんなに過酷なのに、毎回1000人を超える参加者が集まるのは納得できます。それは三回参加してみてようやく理解できました。
 おんたけを楽しむために鍛え、当日は目一杯楽しんでいれば、自然と結果はついてくると思います。

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レース装備

ウエストベルト:インナーファクト / ウエストベルト
ヘッドウェア:SUUNTO / BUFF、Salomon / S-Lab Speed Bob
ボトル:Ultraspire / ISO VERSAボトルのみ 600ml
ボトルバンド;インナーファクト / ハンドボトルバンド
シャツ:Patagonia / Fore Runner Sleeveless
インナーパンツ:インナーファクト / インナーパンツ
パンツ:Answer4 / 3Inch Short Pants
シューズ:BROOKS / CALDERA 4
ソックス:インナーファクト / ラミーソックス(5本指ミドル丈)
レインウェア:THE NORTH FACE / Strike Trail Hoodie
レインパンツ:OMM / Halo Pants
ライト:Petzl / NAO(頭)、Ledlenser / NEO 10R(腰)、milestone / MS-A5(予備)
ウォッチ:COROS / VERTIX 2
ゼッケンベルト:ゴム紐xホチキス
ワセリン:ガーニーグー

江西 祥都江西 祥都

江西 祥都

ゲームやCMの脚本家、小説家、ライターです。 引き籠もって執筆中にあまりのストレスで山に逃走。山でも走り続け、後にこれがトレイルランニングだと知る。 現実逃避をし続け、今ではフルマラソンサブ3、100マイルトレイルレース上位5%のリザルトに……。沢登りやクライミングもします。 出張ランニングサービス-RUNKUR-(ランクル)の代表をしています。

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