貧乏ランナーが高級シャツを着てみた結果「インナーファクトのポーラテックデルタシャツ」

 インナーファクトの製品は「安価で高性能。庶民ランナーの味方!」という印象が強いと思います。

 そんなインナーファクトのオリジナルアパレルラインから出た「Polartec Delta Tシャツ」はなんと……

 13200円(税込)!!

https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=170445435
 筆者の眼球は飛び出し、「一桁違うんじゃないの?」「ということは10万円くらいの性能があるのでは!?」などと大混乱に陥りました。SNSの反応を見ていると案の定、同じような方が多かったです。

 筆者はタイトルの通り貧乏人なのでそんな高価なシャツは買えません。正直かつ具体的に言うとTシャツに5500円以上出したことがありません。
 正直「まあ、暑さも寒さも根性でなんとかなるだろ」「それより身体を鍛えたほうがいい」と考えています。俗に言う「脳筋ランナー」で、バーサーカーに近いと思います。
 そんな筆者にこの高級シャツを与えるとどう変貌を遂げるのか書いていきたいと思います。

一週間着てみての結論

 ランニングをしたりザックを背負って走ってみたり普段着としても着用してみました。
 「雨でずぶ濡れ」だったり「気温30度」だったりとそれなりに過酷な環境でテストできたと思います。

 結論としては……
「Tシャツ着て大会出るなら全部これ着ます!」
 即堕ちです。

 ただし注意点としては、筆者は暑がりなので、暑いと感じる場合はペラペラの生地のノースリーブを着ます。
 ですので、夏の日中で終わる短いレースでは着用しないと思います。

そもそもどうしてこんなに高価なの?

 生地に高性能なPolartec DELTAを採用しているからです。
 プレミアム生地なのでどうしても高くなってしまいます。

 以下商品説明から抜粋します。
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 ポーラテックデルタは、高温多湿の環境下で快適性を保つためのベースファブリックです。
 適度な厚みのある生地はウィンターシーズンのトレイルランの寒い環境下でも暖かさを保ちつつ、真夏の猛烈な暑さを感じる時も生地特性の汗の気化熱で身体の涼しさを保つオールシーズン使えるウェアです。
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 詳しい仕様は以下の商品リンクを参考にしてください。
https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=170445435

使用感レポート

 生地はペラペラの夏仕様のシャツよりは厚みがあるので、夏は暑さを感じると思います。走り始めると汗が出てきて濡れてきます。これはどんなシャツでも仕方がないことです。

 一般的なポリエステルのシャツだとここから保水して汗冷えしていきますが、このシャツは裏地がメッシュになっていて肌に張り付きません。いつの間にかつるつるしている表地に汗が移っていきます。
 つまり一枚でドライレイヤーとベースレイヤーを兼ねているような感じです。
 ただし簡易的に感じたので、完全にドライレイヤーの効果を期待したい場合はドライレイヤーも着たほうが良いと思います(これ一枚で済む場合も多いです)

 どんなシャツを着ようが、ザックを背負っていると、背中は蒸れます。濡れっぱなしと言っても過言ではないです。空身で走っていても背中は風を受けないのでべちゃべちゃになるほどなので、この現象は避けられないのでしょう。
 ですがこのシャツは先述したように汗冷えしにくいので、不快な感覚はかなり軽減されます。特に寒い時期は重宝すると思います。
 このシャツの着丈は一般のランニングシャツより長く、写真のようにお尻が隠れるかどうかの微妙な丈です。この長さはザックと相性が良く、ズレ上がりにくいです。キロ3分20秒でダッシュしてみてもほとんどズレませんでした。(ザックはSalomon ADV SKIN 5SET XSサイズです)

走り終わった後:正面(身長169cm53kg。XS着用)
走り終わった後:背面(身長169cm53kg。XS着用)


 画像でシルエットの良さがわかると思います。
 筆者は、ランニングよりもトレランや登山に使いたいシャツだと思いました。

価格について

 「やっぱり高いよ!」という感想は変わりません。
 貧乏ランナーの立場からものすごく生々しい話をすると、パタゴニアのエアフローシャツ(傑作。サラサラ感。でも冬は寒い)を5000円くらいでセールで買い、ドライレイヤー(4000円くらい)を組み合わせて1万円以内でなんとか済ませようとすると思います。

 しかし、このシャツでしか得られない効果があるのも事実です。シルエットは計算されていますし、汗冷えはしにくいです。
 なので、性能に妥協したくないセレブな方は手に取ってみてください。
(といっても好評で、現在在庫は少量残っているのみのようです)

インナーファクトアパレルの今後の展開を聞いてみた

 このデルタシャツは今後展開されるインナーファクトオリジナルアパレルの嚆矢的存在だと聞いていました。
 筆者は再販の予定はあるのか、廉価版の予定はあるのかなど聞いてみたので、回答を書いていきます。

筆者「今回のシャツって、プロトタイプって感じがしたんですけどどうですか?」

首藤(インナーファクト代表)「おっしゃる通りです。妥協なく作りました。プレミアム生地についての反応、テストを重ねたシルエット部分が通用するか興味があります。生地についてはすでに評価されているものなので、シルエットについてもっと要望があれば取り入れたいです。ちなみに今後の素材はもっと安価なものになります」

筆者「今回のシャツと同じものは再販予定無しと。まさにプロトタイプですね。これから量産型がリリースされるってことですよね?」

首藤「反応が良ければこのシルエットを元に色々と展開する予定です。今のところ、ポーラテック以外のプレミアム生地、リラックスウェアのコットン生地などの展開を予定しています。これらはある程度の付加価値のある生地なので価格帯的には1万円前後になります」

筆者「一気に買いやすくなりますね。もっと安いガンガン着潰せるウェアを売る予定はありますか?」

首藤「10月末に練習用のウェアを販売予定です。価格的には3000~4000円くらいになります。シルエットは今回のデルタシャツとは別になりますが、来年からは同じシルエットで作るつもりです。きれいなシルエットで安価なウェアを安定したクオリティで出せるようになったら大会参加賞として提案していきたいと思っています」

10月末発売予定シャツサンプル

筆者「参加賞のシャツってほぼタンスの肥やしになりますよね。こんなシルエットのシャツが参加賞だと嬉しいです。今回はありがとうございました」

首藤「こちらこそありがとうございました」

江西 祥都江西 祥都

江西 祥都

ゲームやCMの脚本家、小説家、ライターです。 引き籠もって執筆中にあまりのストレスで山に逃走。山でも走り続け、後にこれがトレイルランニングだと知る。 現実逃避をし続け、今ではフルマラソンサブ3、100マイルトレイルレース上位5%のリザルトに……。沢登りやクライミングもします。 出張ランニングサービス-RUNKUR-(ランクル)の代表をしています。

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