靴下素材にラミーを選んだ理由

靴下を作るにあたり、その靴下にどのような付加価値を加えたいかで素材選びが変わります。

インナーファクトの場合は下記3点を最重要視し素材探しが始まりました。

  • ドライ感(吸湿速乾性)
  • 耐久性
  • 天然素材である事

最初に注目したのは竹繊維。

竹は成長速度も速く日本中にある素材なのでこれを活用できないか考えました。

竹繊維には大きく二つの種類があり、バンブーレーヨンとバンブーリネン。

バンブーレーヨンはシルクのような肌触りでいきなりなかなか良い製品が出来ました。

でも、レーヨンって何だろうと調べてみる。

木材パルプを原料として、パルプの中の天然セルロースをアルカリ(苛性ソーダ)処理した後、二硫化炭素と反応させてセルロース誘導体をつくり、これをアルカリ溶液に溶解させて原液(ビスコースと呼ぶ)とし、この原液を細い孔が多数ある“口金”から酸性浴中に押し出し、繊維を形成させながら化学反応させて、セルロースを再生します。
 レーヨンは、このような製法によるため、ビスコースレーヨン、または、ビスコースと呼んでいます。

一般社団法人化学繊維振興会より。

ほう。苛性ソーダとな。

薬事法では毒劇物扱いの薬品ですな。。。

石けんにも使われてるから割と一般的だけどなんか気になる。。。

次になになに。

アルカリ溶液に誘拐させて繊維を形成する・・・か。

ドロドロに溶かしちゃうのね。

でもそれって元の素材の繊維特徴ってちゃんと残るの???

とある記事ではこんな事も書いてありました。

「”バンブー(竹)”と表記されている繊維のほとんどは、ただのレーヨンです。
一般的に、レーヨンは生産時に有害な物質を使用し、大気に汚染物質を排出します。
レーヨンの原料には竹を含め様々な植物を使用することができますが、製品化されたあとに、原料となった植物を特定することはできません。」

米連邦取引委員会(FTC Business Alert)。

ちなみにレーヨンの繊維断面はこんな感じ。

僕の思う天然繊維の一番の特徴は多孔質であることなんだけど、穴全部なくなってるなぁ・・・。

多孔質である事は繊維中の空洞が吸湿速乾性に大きく関わってくるから、これがない繊維は魅力を感じない。

という事でバンブーレーヨンは却下。

次にバンブーリネン。

こちらは竹の表皮から繊維を抽出してるからちゃんと竹の繊維特徴が活かせそう!!

早速サンプルを作ってみたけど・・・かなりゴワっとしてる・・・。

何回も工場と挑戦したけど残念ながら僕の思う靴下は出来ずに断念。

とある大学や研究機関に色々とお話を伺いに行ったところ、僕のイメージしている繊維だと麻が良いとのこと。

ほあいと」より。

麻も調べると、「ヘンプ」「ジュート」「マニラ麻」「ラミー」など色々ありました。

その中でもラミーが最も耐久性と速乾性に優れバランスも良かった!

ちなみにラミーは、多年生の植物で50日間で1.5~2.0mまで成長するらしい!

温帯では年に2~3回、熱帯では4~6回の収穫ができるほどのたくましさ!!!

ようやく主繊維が決まり今の靴下を作ることになりました。

ここまで試行錯誤する事四年。

ちなみにインナー・ファクトの靴下の80%弱がラミーです。

履かなくなって土に埋めてもちゃんと生分解処理されます♪

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