2026年7月18~19日に開催されたONTAKE100(100km部門)走ってきました。
おんたけは大好きなレースのひとつで2019年から6大会連続出場しています(20、21年は中止)。
戦績としては100km部門で最高順位20位、100マイル部門で完走をしています。
レースの基本的な攻略法は下記リンク「ONTAKE100マイル 制限時間限界完走戦略」、「ONTAKE100Kでサブ14する方法」の記事をどうぞ。おかげさまでよく読まれていてPV数は10万をこえていました。用途に合わせて参照してみてください。
今回は出場し続けて新しく見えてきた部分や考え方の変化がでてきたので、今年のおんたけの簡単なレースレポートと共に書き記していきたいと思います。
2026年コース、コンディションなど
今年は2024年と同じコースでした。
23年は108kmと距離が最も長くて過酷、25年は滝越コースの林道崩壊によりショートカットルートとなりロードの比率も上がったので楽でした。
林道の崩落状況によってコースは年々変わりますが、今年のコースが標準的なものになると思います。
コースが同じ24年と比べると、完走率やサブ14達成者の数がかなり減っています。原因は晴れて暑かったことです。正午近くからの陽光は強烈でした。例年ならコース脇の斜面から湧いている水もほぼ枯渇していました。いつもならここで水分補給したり身体を冷やすことができたのですが、これらが封じられたのは厳しかったです。

失敗レースを経験しておんたけの真髄を知る
目標としては11時間を切り、最低限20位以内、チャンスがあれば総合10位以内を狙っていたが、12時間半の40位強に終わり、結果的に途中で潰れた大失敗レースだった。
前半の上松を順調に終える。急な登りは歩き、下りもむやみに飛ばさずに温存して5時間半。
脚は十分残っていて、食欲もあったので1000kcalほど補給して後半の滝越コースに入る。
5kmほど走って身体に力が入らないと気づく。大量に摂ったはずの補給がエネルギーになっている感覚がない。おそらく一気に摂り過ぎて胃がおかしくなり吸収できていない。ここからほぼ補給が摂れなくなり、濁川エイドでもらったスポーツドリンクを少しづつ飲みながらひたすら歩く苦行に。
ゆるい斜面が走れない。フラットな林道すら走れない。下りは走れるけど胃が揺れて激痛が走る。身体はいまだにエネルギーの吸収を拒んでいて力が入らない。
今回のレースは記録を出すことに躍起になっていた。
おんたけに特化した練習メニューを組み、毎週高尾山域に通って、おんたけのコースに近い小下沢林道や日影林道をひたすら往復。総距離40km累積1500mを絶対に歩かずに走り切る。
そんな練習をこなしていた脚は過去最高に仕上がっていたのに、胃腸の対策を怠って惨めに歩いている。目標タイムは遠ざかっていき、やる気の消失どころか死にたくすらなってくる。完全に集中力は切れて音楽やオーディブルを聴いて苦痛を和らげようとするが上手くいかない。
俺ってこんなにメンタル弱かったっけ? と自問自答する。
おんたけは単調な林道かロードで景色はずっと変わらない。トレッドミルを走っているような感覚に陥る。気分転換ができない。逃げ場がない。ひたすら負の感情と向き合うことになる。
どうしてこんなに辛いのか、つまらないのか、耐え難いのか、消え入りたくなるのか。
おんたけは走る禅といわれているが、こんなふうに牙をむいてくるとは思わなかった。

とことん負の感情に付き合ってみる。
朧気ながら答えに辿り着く。
即物的におんたけで成果を出すことに執着しすぎたのだと。
おんたけ100マイルで3位表彰台に上がったり、日本で一番難しいと言われる100マイルレース「TW彩の国」で優勝経験がある赤松氏(ひゃっほい太郎)がこんなことを言っていた。
「優勝したのは運」だと。聞いたときは「運が良い、ついていたから」だと思ったが意味は若干違った。
ただひたすら積み上げる。その延長線上にたまたま興味があるレースがあり、それに参加したから成果が出たという意味らしい。確かに「運」の要素はあるが、「運命」と言ったほうが伝わりやすいかもしれない。
彼は5年ほど前にそんな発言をしていて感銘を受けた。私はどうしてもレースに合わせてしまい、高すぎる目標を設定し、きついトレーニングをして苦しんでしまう。それが楽しいなら別にいい。でも私はそうではなかった。重症だったのは強がって、楽しいしきつくないと思い込んでしまうことだった。自分に正直になることって案外難しい。
こんなことを続けていたら燃え尽きてしまい、ランニングを長く続けることはできなくなる。そう悟り、それ以降ひたすら毎日愚直に日課のランニングをこなすようになり、強くなっていった――はずだった。
なのに今回のおんたけは昔の自分に戻っていた。
去年は手術をして、故障もしたので満足にレースをこなせなかったし約一年振りのレースだった。復帰戦とも言える今回のレースで成果を上げることに躍起になって我を忘れ、癖がぶり返した。
「このくらいの練習は普通だ。このくらいやらないと結果は出ない。それなりに楽しんでいる」
自分に嘘をついている。勘が鈍るというのは肉体的なことだけではない。自分の裡の声が聞こえなくなり、精神面の均衡も崩れてしまう。
毎年おんたけ会場へはトレラン仲間3人と一緒に車に乗り合って参加している。そのうちのひとりが、「Mr.OSJ」の異名持つ小林さんだ。彼も毎年出場していて、私が初出場した2019年には100マイル部門で5位入賞を果たしている。
「毎年出るたびに順位下がっていきますよー。今年は20位以下になりそうだなー」
会場に向かう車中で彼は脳天気にそう言いながら運転していた。
彼とは以前は小下沢林道5往復などの狂ったメニューを一緒にこなしていた。だが今年は一度も林道やトレイルに入らずひたすらロードで日課のランニングをこなしていたらしい。
私は正直、「諦めたのかな」と思っていた。「このひと大丈夫か? きつい練習から逃げたのかな」とも思った。
小林さんはこの日、100マイル部門で5位になり、表彰台に上がる。
ペースはおそろしく一定で、淡々と走った結果だった。

まるで仙人のようだと畏怖した小林さん(右端)
彼が表彰を受けている姿をスマホで撮影しながら、日々黙々と積み上げる崇高さと、それが如何に困難なことかを理解できた。
これもまさしく運の話なのだろう。
私は前述した「ONTAKE100Kでサブ14する方法」で偉そうに、林道をひたすら走って脚に下り耐性を付けろなどと書いている。
――以下引用
下りの脚を作る
このコースは走った後に夢に出てくるくらい下りが長いです(実際、完走後に昼寝をしたら夢でも下りを走ってました)。しかもロードが多く、脚への衝撃はすさまじいです
この対処法としては実際に林道を走るのが一番です。
私は高尾山域の小下沢林道で練習していました。距離は約4.5km、累積300m、勾配6%の林道でこれを4往復していました。
斜度はゆるいので全走りできます。下りももちろん全走りで、下れる脚を作ります。これは階段やトレッドミルではできません。
林道に行くまでに5kmほどかかるので、往復で10kmになります。林道と合わせると約50km累積1500mほどです。
――引用終了
それはまさに即物的だ。確かに効率的で一時の成果はでるかもしれない。
でも諸刃の剣だ。一度折れると絶望的になる。立ち上がれなくなる。すべてを諦めトレランすら嫌になる。今回の私みたいに。
いっそのことコツや対策なんて捨ててしまったほうがいい。
何より重要なのは日常を整えることだ。きちんと食べてしっかり寝て走る。それを繰り返す。そうすれば無理なくランニングは続けられる。
成果が出そうな最高に効率が良いトレーニングの誘惑を捨てる。僕はそういったトレーニングを嫌々こなしていた。毎週高尾山域へ足を運ぶのがとにかく苦痛だった。だから気が滅入ってしまった。
今では、今回のおんたけで失敗してよかったと心底思っている。成功したら、また次の成功のための即物的なトレーニングに邁進していただろう。
これがあの狂ったように単調な林道で苦しみ抜いて得たことだ。
私は来年もきっとおんたけを走っている。
そのときは凪になりたい。 毎日積み重ねているジョグみたいに穏やかに走りたい。
楽しいと自然と無になる。思考が挟まる余地がない。単調な林道を無で走りたい。
ザックもウエストベルトもなしで快適に走る
私は軽装で走るのが好きで、上記の記事のようにおんたけはザックは背負わず、「ウエストベルト+ハンドボトル」で走っているのですが、今回はウエストベルトすら装備せずに走りました。
今年のはじめにインナーファクトから「6-Pockets running tights」が発売されました。
https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=185284607
このタイツの収納力は抜群に高く、すべての必携品と食料が入りました(水分はハンドボトル二本を手に持っています)。コツとしては腰回りが圧迫されるのでタイツのサイズ感は少し緩めにしましょう。私は170cm、55kgでゆるくSサイズを履いていますが、荷物を詰めるとちょうどよくなりました。
このタイツは本当におすすめです。去年出場した加賀スパトレイルでも活躍してくれましたし日常のトレーニングでも愛用しています。

これらの装備がすべて入ります。
ウエストベルトと違ってお腹の圧迫感はなくなり、この上なく快適でした。その代わり、お腹周りはパンパンなので、大のトイレを利用するには事前にすべての収納物を取り出さなくてはなりません。欠点はこのくらいなので来年もまたこの装備で走ると思います。
レース装備
ヘッドウェア:インナーファクト / ネックゲイター(上松)、トレイルハットL/XL(滝越)
アイウェア:OAKLEY / FLAK2.0 XL
ハイドレーション:Ultraspire/ ISO VERSAボトル、SALOMON / ACTIVE HAND HELD、インナーファクト / ソフトフラスコ(予備)
ハンドボトルバンド:インナーファクト/ボトルバンド
シャツ:インナーファクト / メッシュタンク(上松)、ひゃっほいタンク(滝越)
インナーパンツ:インナーファクト / インナーパンツ(ショート丈)
タイツ:インナーファクト / 6-Pockets running tights(ショート丈)
シューズ:ASICS / フジライト5
ソックス:インナーファクト / ラミーソックス(5本指ミドル丈)
レインウェア:THE NORTH FACE / Strike Trail Hoodie
レインパンツ:OMM / Halo Pants
ライト:Fenix / HM65R-T V2.0 LED Headlamp(頭)、Ultraspire / Lumen600(腰)、Petzl/イーライト(予備)
テーピング:インナーファクト / 伸縮性カットテープ
ウォッチ:COROS / VERTIX 2
ゼッケンベルト:ゴム紐xホチキス
ワセリン:ガーニーグー
クーポンコード
今回のレースで使用した下記のインナーファクト製品を5%オフで購入できます。
コードを使って購入していただくと一部筆者の収入になり、この先の記事執筆の応援になります。
クーポンコード:ontake2026
割引率:2026年9月末日まで
対象商品:
・ネックゲイター
https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=178996838
・TRAIL HAT
https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=181916374
・ハンドボトルバンド
https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=152965433
・ソフトフラスコ(ノーマル&ストロー)
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2573309&csid=1
・MESH TANK
https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=192309418
・6-Pockets running tights(各種)
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2651562&csid=17
・ラミーソックス
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2431131&csid=0
・シームレスインナーパンツ(各種)
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2651562&csid=16
・テーピング
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2843801&csid=0
・Fenixライト(全て)
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2960595&csid=0
・ガーニーグー
https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2422129&csid=0

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