
どうも、2025比叡山50mileチャンプこと、だーまえです。
自慢するには鮮度が落ちてしまった気がしてならないタイミングではありますが、2025年の比叡山インターナショナルトレイルラン 50mileについて記事を書きました。
とはいえ、優勝した自慢を読まされても苦痛この上ないかと思います。
今回はただでさえ完走が難しいとされるこのレースの攻略について主観ではなく、一般的な基準をもとに解説していきたいと思います。
前提としてこのレースのことは知っているものとしてレースやコースの紹介は省略しますのでご了承ください。
レースのことが気になる方は以下のリンクよりレースについて調べてみてください。

https://www.mthiei.com/raceinfo
※比叡山インターナショナルトレイルラン公式サイト
目次
なぜ難易度が高いのか?
なんといってもコースに対しての制限時間でしょうね。
コーススペックは:50mile(約80km)/累積標高5,500m(公式発表)
これに対して2025年は11時間15分が完走制限時間。
途中関門では50km地点を7時間15分で通過することが求められており、しっかりとスピードが必要。
更にはフィニッシュまであと少しという74km地点にも関門があり、今回知り合いが数名この関門で散っていきました…
このブログは散っていった勇者たちに捧げるレクイエムでもあります。

完走者のUTMB INDEX(Score)は2024年大会で636。(2025年はまだ反映されておらず)
UTMBに登録されているランナーのINDEXの上位3%にはいる実力というとそのレベルの高さが窺い知れるかと。
ちなみに走ってみて思うのは走れるところを走れなければ完走は難しいということ。
逆に走れるところを走れば完走できる。とも言えます。
コーススペックだけで判断するとトレイルパートがキツそうに感じますが、険しい山岳コースではないので思ったよりもタイムはかかりません。
ざっくり分解すると
①序盤はトレイル多めの南パート(スタートからA2)
②横高山からの登りがハードだが後半は走れる北パート(A2から50km地点まで)
③北パートから横高山の登り返しがなくなりより走れるようになった北パート(50kmからFinish)
の3パートになるかと。
それぞれをどういった配分で走ると完走できるのか、次の項目で目安とともに解説します。
各セクションにかかる時間の目安
今年完走した方のリザルトを以下の表にまとめてみました。


手前味噌ながら後半の落ち幅を抑えられた良い走りができたと思っています。
関門時間11時間15分に対して平均割合を当てはめると以下のような設定になります。
スタート〜A2:2:37:27
A2〜50km:4:30:05
50km〜Finish:4:07:14
上記を目安にするとエイドタイムは考慮されていないので、実際はこれより10分は早く動く前提で考えておいた方がいいですね。
50km地点を7時間10分以内に、余裕を持って通過できるかどうか。
言うは易し、行うは難し…
DNFの方のリザルトも出しましたが、7時間10分を切って余裕を持って通過した選手11名いましたが、50km以降ペースが落ちたものと推察しました。
裏を返せば50kmの関門を通過しても後半のパートを走れなければ関門にかかりTHE END。
50kmまで飛ばせばいいわけではない。難しさが際立ちます…
次の項目では実際にどんなトレーニングがおすすめか解説していきます。
完走に向けたトレーニングについて

最初に言っておきます。装備がどうとか、補給がどうとか、そんなものは忘れてください(笑)
まずは走力がなければこのレースは完走できません。
真摯にトレーニングに向き合って来た者にのみ栄光が訪れます。
装備や補給はレースを快適にしたり、トラブルを避けるために必要な要素ですがあくまでオプションであることを前提に置いておくことをお勧めします。
と、ふるい落としをされてもなお読んでくださるに皆様には誠実にお伝えしたいと思います。
①平地の走力アップ
如何にトレイルの登り下りがあろうとも、平地を速く走れて損することはないですね。
今回私はシーズン開幕戦でしたが、冬に取り組んだベースの走力アップあってこその結果だと感じています。
完走した他のランナーと話しましたが、トレイルがよほど得意でない限りマラソンを2時間45分〜50分走れる走力があった方がいいとの見解で一致しています。
ベースアップのための閾値走を詰んだ上で上記をクリアできるような走力を身につけることが入り口になるかと思います。
私がやっていたトレーニングの一部を置いておきますが、スピード、距離、時間は個人のパフォーマンスによって大きく変わりますので悪しからず。

https://www.strava.com/activities/13629758486
上記の走力を身につけた上で以下のレース特化のトレーニングを積んでいくのが良いかと。
②垰走
前述の通り後半に走れる林道やロードが多いコースになっています。
ただ手強いのが序盤でトレイルの細かなアップダウンで足が削られている状態で、林道の傾斜がキツいコースを動き続けなければいけないため、結果走れなくなっているとタイムアウトとなってしまうわけです。
おもんないトレーニングの代名詞ですが一番効果を感じられるかと。
林道と舗装路で走れる斜度の許容範囲を広げられればバッチリです。
具体的には一回登って、降った後、もう一度登り返した際に歩かずに走り続けられる斜度、距離を伸ばしていくようなトレーニングです。
全部走れればいいですが最初からは無理だと思うので、地道にコツコツ同じコースでタイムをとりながら取り組む辛抱強さが必要です。
私のブログでは毎度紹介しているトレーニングですがStravaのリンクを置いておきますのでご査収ください。

https://www.strava.com/activities/13765744794
③トレイル+峠走
このレースに限らずですがトレイルの後に繋ぎのロードが出てくるのは多々あるかと。
先ほどの峠走をよりレース特化させるためのトレーニングとして組み合わせを推奨しています。
内容は20km程度のトレイルランの後に、一気に林道・舗装路での下りとその登り返しをセットにしたトレーニングです。
パフォーマンスアップの効果もありますが、本当の狙いはレース当日と同様の体の負担を体験しておくことにあります。
なのでレースペースでのトレーニングをオススメしています。
レース当日に初めて味わう絶望感よりは、あらかじめ経験しておけばメンタルが保たれますw
精神論と言えばそれまでですが、過去に経験した苦痛や疲労度であれば乗り越え方を体が覚えててくれます。
なのでトレーニングでしっかり失敗しておきましょう!本番で失敗しないためにも。
80kmを11時間15分で完走する場合、平均ペースはベッタリ割って7’11/kmとなります。
登り下りで当然前後するのですが、時計には出力ペースというものが表示されています。
トレイルの上りや急勾配のくだりは高めに出る傾向がありますので頭から外しますが、林道やロードでは上記の出力ペースを意識して走る、もしくはパワーウォークするのもありかと。
期分けについて
先に細かくトレーニングについて紹介しましたが、完走するためには時間をかけてパフォーマンスを上げつつ、レース前にはレースに特化したトレーニングに近づけていくことがセオリーとされています。
だーまえが比叡山をポイントレースとする場合の期分けの例を提示します。
なお今回は半年前を目安に提示させてもらいます。
半年前〜4ヶ月前:ベースアップ
平地でのトレーニングをしっかり積みつつ、月に1〜2回程度トレイルに入るのもOK.
JOGをベースで行いつつ、VO2MAXと閾値走をポイントトレーニングで取り組んでいく。
4ヶ月〜2ヶ月前:閾値層を中心にしたベースアップ
閾値走と峠走を入れながら標高に対する耐性もつけていく。
ハーフマラソンやフルマラソンのレースがあれば現状確認で走ってみるのもあり。
2ヶ月前〜レース2週間前:レース特化
峠走とトレイルの組み合わせで山を走る感覚を取り戻す。
特に登り返しの耐性を確認しつつ装備、補給のチェックを実施。
2週間前〜レース:テーパリング
疲労抜きをしつつ、最終装備チェック。
レース当日タイムスケジュールのチェック。
できるだけ一般化させているので個別の具体例がなく恐縮です💦
ただ個人の現在地によってトレーニングの内容は大きく変わるため参考に留めておいてください。
まとめ
比叡山インターナショナルトレイルラン50mileについて、完走するための目安を解説しましたがいかがでしたか?
マラソンのタイムなどを見て絶望された方もいるかもしれません。
事実なのでもう一度言いますが、走力がなければ完走できません!
ただ辛いトレーニングを乗り越えてでも完走することに価値のあるレースだと思います。
なんせレジェンド鏑木さんから直筆サイン入りの盾をもらえるのですから。
今年残念ながら完走できなかった方、50kmを完走し来年の挑戦を目論む方、難関レースハンターの方、このブログがどこかの誰かの完走に向けた一助になれば幸いです。

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