Tokyo100走ってきました。
東京都の奥多摩の山域を舞台にした100kmのトレランレースです。
今年5月に走ったTGT100(TokyoGrandTrail)と一部コースが被っていたり、メイン会場が同じこともあり、TGT100の姉妹大会という先入観で参加しました。
しかし、完走してみて印象が大きく変わりました。
この感じ…………あの大会に似てる……なんだっけ……
トレニックワールド彩の国だ!
最初は無名だったものの、今やエントリーがクリック合戦になっているあの人気大会です。
彩の国はその名の通り埼玉の奥武蔵が舞台です。彩の国は細かいアップダウンが連続する里山無限地獄。Tokyo100の舞台である奥多摩は山が比較的大きいのでかなり違います。
それでも彩の国味を感じたのは、ホスピタリティによる部分が大きいです。スタッフの気配りはアットホームで温かく、エイドの補給食はバラエティに富んでいて美味しいです(クラフトビールや菓子など地元の専門店のものが多いです)
まだ開催3年目ということもあり、正直ぎこちなさを感じる部分はありましたが、運営やスタッフが一生懸命試行錯誤しているのがうかがえました。
私は彩の国が大好きで、第一回から選手やボラですべて参加しています。思い返せば彩の国も最初のほうは危なっかしい部分が多かったです。
両者に共通しているのは、なによりも良い大会にしていこうという気概です。それでいて、楽しむことを重視していて良い感じのゆるさがあります。
ついなにか自分にできることはないかなと手伝いたくなる感じです。なので私自身、彩の国と同様に毎年選手もしくはボラとして関わっていけたらいいなと思ってしまいました。
目次
大会概要
2024年11月23日9時スタート。制限時間30時間。
奥多摩山域 総距離101km 累積標高7000m
ストック使用可
来年2025年は100マイル部門創設予定
大会レポート&攻略法
注意点など
まず私のレース結果ですが、18時間50分の2位でした。
ITRAポイントが650前後ならこのくらいのタイムで完走できると思います。
コースやきつさの性質は違いますが、ストックを使用したとしてもFTR100km、TW彩の国100kmと同程度の総負荷だと思います。完走難易度も同程度です(制限時間は彩の国31時間、FTR100kmは32時間とほぼ変わりません)。
距離5km以上標高1000m以上の一気登り→距離10km以上のロードの一気下りが多いです。500mUPはまだしも垂れずに1000m一気に登るのは意外と大変です。
意図的にペースを落とす、エネルギー切れになりやすいので補給の仕方を工夫する、ストックを使いリズミカルに登る練習をする、など対策しましょう。どちらかというとUTMBなどの海外レースに近い感覚です。
基本的にノーマーキング、誘導員なしの大会なので注意が必要です。スマホに入れた地図をきちんと見て進みましょう。私は地図読みはできますが、トレランの大会は何も考えずに脳筋で進むことだけを考えたいタイプです。よって今後、マーキングがそれなりにある形式を望みます(彩の国までは行かなくともレイクビワくらいは欲しい)
第一区間(距離約37km累積標高2500m)
青梅~奥多摩エイド
スタートはメイン会場の奥多摩エイド(奥多摩駅近く)ではなく、青梅駅から歩いて10分の永山公園です。9時開始とゆっくりめです。
スタート時間が早すぎず、場所も奥多摩エイドではないのは、選手の立場からするとかなり助かりました。やはり奥多摩駅まで行くのは遠いです。
荷物を預けてスタートします。雰囲気はゆるゆるです。
青梅高水やTGT100のコースを逆走しながら、奥多摩駅近くにあるメイン会場の奥多摩エイドまで約37km累積標高2500mの道のりを進みます。このセクションはウォーミングアップのつもりで抑えて走りましょう。コースのプロファイルは、距離と累積標高的にも高尾トラサルに似ています。最後に長いロードなのもそっくりです。
鳩ノ巣駅まで降りてから奥多摩エイドまでは、川沿いの遊歩道「奥多摩ウォーキングトレイル」を進みます。ここは巨石が多く、一部はゴルジュになっており、その眺めは圧巻です。観光客が多いので、この区間は歩行区間になっています。景色を楽しみながら歩きましょう。
メイン会場の奥多摩エイドでは、デポバッグを受け取って補給やギアの入れ替えができます。これから標高も上がり夜間は0度以下まで冷えるのでしっかりと準備しましょう。私はTシャツを脱いでベースレイヤーと長袖に着替え、普段付けないカーフゲイターも装備しました。
メイン会場のエイド食は豪華です。FUJI(旧UTMF)では2パック食べるとギルティ認定される富士宮風焼きそばも食べ放題です。私は欲望のままに2皿食べ、これまた飲み放題のクラフトビールも飲みました。ここでの暴食が祟り、これからしばらく胃腸の不調に苦しむことになります……
第二区間(距離約40km、累積標高2500m)
奥多摩エイド~惣岳山~藤倉エイド
奥多摩湖まで「奥多摩むかしみち」を約10km進みます。ロードなのでタイムを稼ぐならここですが、なにげに登るので脚を削られます。要するに峠走です。ここをしっかり走れるかどうかで大きくタイムが変わってきます。
奥多摩むかしみちはロードバイクの名所らしく、この時期は紅葉も綺麗です。途中にある吊り橋はかなり風情があります。来年はロードバイクでゆっくり巡ってみたいです。
絶景の奥多摩湖からはトレイルで惣岳山まで約1000m一気に登ります。むかしみちを頑張って走っているとこの登りで相当脚にくると思います。私は足が何度も止まりました。遅くてもいいのでとにかく着実に進みましょう。
御前山手前の惣岳山から、月夜見山に向かって下ります。勘の良い方は気づいたと思いますが、あのハセツネコースの一番きつい登りセクションを逆走です。もれなく激下り&落葉で滑りまくり&夜間の三重苦ですが、気を引き締めて安全第一で進みましょう。
ハセツネコースを逆走して風張峠まで進むと、そこから藤倉集落まで基本的にロードの下りです。足を残してしっかり走れるようにしておきましょう。
藤倉エイドは廃校の小学校でかなり趣があります。余裕があれば、ドーナツや饅頭を食べながら堪能しましょう。私はドーナツ専門店のドーナツが出ると聞いていて楽しみにしていたのですが、焼きそばの呪いで胃がもたれていて食べられませんでした……(ゴール後に奇跡的に食べられたのですが、甘さあっさりで美味しかったです)
藤倉エイド~御前山避難小屋~奥多摩エイド
藤倉から御前山避難小屋までひたすら登ります。またもや一気に1000m強UPです。
一部バリエーションルートなので道は明瞭ではありません。ピンクテープを追いながらなるべく尾根を外さないようにするとロストしにくいです。
御前山避難小屋には水場がありますが、あまりに寒くてフラスクの水は減っておらず、水の補給はしませんでした。ここからは主にロードの長い下りです。奥多摩エイドまで約15km。しっかり走れるように足を残しておきましょう。
第三区間(距離約24km、累積標高1400m)
奥多摩エイド~石尾根ピストン(鷹ノ巣山<->奥多摩エイド)
最凶最終区間です。
総距離は約24km。1400m登って鷹ノ巣山避難小屋へ到達してピストンで降りてきます。優勝者の牧野さんですら5時間強かかっています。まさにラスボス。
この区間は今後変更の可能性はないどころか、東京都最高峰である雲取山(標高2017m)まで繋がる可能性があるようです(100マイル部門が新設されるならおそらく組み込まれそうな気がします)
きつい登りの前にエイドでしっかり補給してから進みましょう。地元製菓店の酒饅頭、みたらし団子、ドーナツ、メロンパン専門店のメロンパンなど種類豊富で充実しています。甘いものが受け付けないならスープやおかゆもありました。
私はエイドに入る直前に3位の選手をパスしていたので、そのまま逃げ切りを計り、コーラの補給だけで出発してしまいました。おかげで復路終盤でハンガーノック気味になってしまい、判断能力が低下して大きなロストをして地獄をみました……同じ轍を踏まないようにしてください。
ゴール後の黒毛和牛の焼肉丼は最高でした。たんぱく質からアミノ酸に変容していき、身体に染み渡っていくのがはっきりとわかりました(広義の幻覚。ドラッグでのトリップに近い)。胃がやられていても肉はなぜか食べられるので不思議です……
まとめ
関東には他に100kmのトレランレースがいくつもあり(人気のFTR100はこのレースの1週間前でした)、この山域はTGT100もあるし、Tokyo100はあまり食指が動かない方が多いと思います。私も正直そうでした。
ですが、試走してみたり実際に参加してみて、大好きなTW彩の国と同じくらい好きな大会になりました。
それは先述したホスピタリティもそうなのですが、奥多摩という山域の魅力を感じ取れたのが大きかったです。
奥多摩の紅葉、奥多摩ウォーキングロード、奥多摩湖、むかしみち、藤倉集落など大会以外でも行ってみたい場所が増えました。
この感覚は既視感があります。
彩の国100マイルをどうしても完走したくて試走しまくっていた際に里山の温かさに気づいた感覚でした。
試走時にはつつじが満開でしたが、大会当日にはすべて散っていました。緑が濃くなった里山を進み、肺一杯に青葉の香りを吸い込んで走っていたら、季節の移り変わりを身体全体で感じ取れた気がして、幸せで満ち足りた気分になったのを憶えています。今回のTokyo100でも奥多摩を通じてそういった懐かしい感覚が甦ってきました。
今後、春の定番レースはTGT100、秋の定番レースはTokyo100の流れがくることを祈ります。
レース装備
ザック:instinct / EVOLUTION 7L + instinct / ERGO QUIVER II ポールホルダー
ストック:LEKI / ウルトラトレイル FX.ONE スーパーライト
ヘッドウェア:インナーファクト / ネックゲイター(2つに切ってヘッドバンドとして使用)、ciele / BKTHat
ハイドレーション:インナーファクト / ソフトフラスコ
シャツ:インナーファクト / Polartec PowerDry Tシャツ、MHW / AirMesh Long Sleeve Crew
ドライレイヤー:ファイントラック / スキンメッシュ(夜間使用)
インナーパンツ:インナーファクト / インナーパンツ
パンツ:インナーファクト / Primeflex Water-repellent ランニングパンツ
シューズ:ASICS / FUJI-LITE 4
ソックス:インナーファクト / ラミーソックス5本指ミドル丈
グローブ:SALOMON / XT WINGS GLOVE WP、モンベル / ウィンドストッパートレッキングミトン
カーフガード:REXCHI / カーフガード
アームスリーブ:RxL / シームレスアームカバー
レインウェア:THE NORTH FACE / Strike Trail Hoodie、OMM / Halo Pants
インサレーション:THE NORTH FACE / ホワイトランニングジャケット
ライト:Ledlenser / NEO 10R(頭)、Ultraspire / Lumen600(腰)
テーピング:インナーファクト / キネシオテープ
ウォッチ:COROS / VERTIX 2
ゼッケンベルト:ゴム紐xホチキス
ワセリン:ガーニーグー(当日レース前に使用)、テングバーム(前日使用)
クーポンコード
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使用期限:2024年12月31日まで
-対象商品-
Polartec PowerDry Tシャツ https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=173940535
Primeflex Water-repellent ランニングパンツ https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=176399218
ソフトフラスコ https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2573309&csid=1…
シームレスインナーパンツ https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2651562&csid=4…
ラミーソックス https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2431131&csid=0…
ネックゲイター https://shop.inner-fact.co.jp/?pid=178996838
テーピング https://shop.inner-fact.co.jp/?mode=cate&cbid=2843801&csid=0
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