UTMBって行くのにいくらかかるの?

7年ぶりにUTMBに行ってきました。
前回行った時に「次回はサポートしている選手と一緒に来れたら嬉しいなぁ」と朧げに思っていた目標が一つ叶いました。

今回は各セクションのエイドのサポートには入りませんでしたが、日本から現地までの移動手段や宿の確保、飲食内容や持って行った物などの価格含めて時系列に沿って備忘録的にまとめたいと思います。

航空券確保

基本的に日本からUTMBに行く際は、どこかの空港で一回乗り換えてスイスのジュネーブ空港(コアントラン国際空港)着となり、そこからバスでシャモニーに入ることになります。

バスに関しては次の項で解説するのでここではまず飛行機について説明したいと思います。

僕は広島在住で今回一緒に行った選手の小田さんも広島なので、関西国際空港からトルコのイスタンブール経由でターキッシュエアラインズのチケットをTrip.comで4ヶ月前にとりました。
価格は往復193,460円/人。

ただ、今回は台風にかき乱されて出発数日前に、予約した便をキャンセルして1日早く行くか、もしくは1日遅らせるかを悩みまくりました。
同じように悩んだ人が多かったようで、1日早く出る便のチケット単価がえげつなく上がり、悩んでページを更新するたびに数万円単価が上がり最終的には50万を超える金額になる始末。

23時くらいまで小田さんと連絡取り合いつつ悩むも、「こんなんもう決めるの無理や、、、」と決断を放棄してふて寝。
翌朝台風情報見たらまだ九州にも到達しておらず、結果的に今回はなんだかんだ無事予定通りの工程で行けたから本当によかったです。

行きのフライトスケジュールはこんな感じでした。
8/28(水) 21:55 関空発
↓13時間5分
8/29(木) 5:00 イスタンブール着
↓1時間45分乗換待ち時間
6:45 イスタンブール発
↓3時間15分
9:00 ジュネーブ空港着
※フライト時間は実時間で、到着時間は現地時間です。

フライト時間は、関空からイスタンブールは1時間早く到着し、イスタンブールからジュネーブも45分ほど早く到着しました。

シートグレード

予約時はエコノミークラスで予約しましたが、フライトの日が近づいてきてビジネスのシートに空きがあると特別価格のアップグレードプランが公式サイトで適用されることがあります。

ターキッシュエアラインズでは追加で150,000円/人でアップグレードが可能に。
※ロングフライトの関空 – ジュネーブ区間のみ。

関空に向かう道中に小田さんが疲労が抜けきってないとのことを聞いていたのと、今回は強行スケジュールでレース前日に現地入りなので少しでも移動中の疲労を溜めてほしくなかったので、行きのフライトが長い便は奮発してビジネスクラスにシートグレードをアップしました。

足が伸ばせるし、シートはフルフラットに倒れるので睡眠もしっかりとれロングフライトの疲れはほぼ感じませんでした。

個人的に今回大正解だったのはノイズキャンセリングイヤホンの導入でした。

Bose QuietComfort Ultra Earbuds

4万弱と高価ですが装着すると飛行機のうるさいエンジン音などの雑音がほぼ全てカットされ、必要な機内アナウンスのみが50%くらいの音量にカットされ聞こえます。

これのおかげで耳から入る音によるストレスが大幅に軽減され疲れの感じにくさに繋がったので、余裕のある方は強烈におすすめです!!

イスタンブール – ジュネーブ間のフライトは3時間ちょっとだけどゆったり移動したいので非常口座席を指定しました。

座席指定の費用は4,000円弱かかりますが、足元の広さが確保できるのはストレス軽減になるし気軽に立って体操したりできるのでおすすめです。

ちなみに非常口座席は非常時にクルーの指示に従って、他の乗客の脱出の為に誘導や補助をしないといけないので英語を喋れることと健康であることが必須条件になります。

僕は英語は得意ではないので、2ヶ月前からケーススタディの英会話を猛勉強(主にリスニングとスピーキング)。
1ヶ月前からはオンライン英会話でネイティブの人や、英語圏では無い訛りのある人と会話をするなどして聞き取れて伝わるように勉強しました。

チェックイン時と搭乗時、機内でスタッフの方から英語が喋れるかと非常時の対応ができるかなど簡単な質問をされましたが無事答えることができクリア。

ちなみに、機内食は基本的にはいろんな国の人が食べるものになるのでクセがあるものはないです。
ただ、ヨーロッパの便なのでチーズやヨーグルトなど乳製品が出るので苦手な人は注意ですね。

ジュネーブ空港からシャモニーへの高速バス移動

ジュネーブ空港に到着したらシャモニーまでの移動はレンタカーか高速バスの二択になります。
僕は国際免許は取得してないのと現地運転は不安があるので高速バスを選択。

移動時間は1時間半くらいです。

高速バスも5〜10人弱の乗合のバスと、観光バスのような大きなバスがあり7年前に来た時は乗合バスだったけどどのバスかわかりにくく(バス会社のステッカーなど貼ってない普通のミニバン的なやつだった)バタバタしたのと、同乗者がみんな荷物が多くラゲッジスペースに乗らず足元にスーツケースを置いて体操座りみたいになってしんどかったので今回は大型のバスにしました。

うん、わかりやすい!
このバスで往復8,000円/人くらいでした。

シャモニーのバス停は1箇所で迷うことはなく、UTMBのスタート会場との位置関係はこんな感じです。

下の赤いピンがバス停の位置。

バス停に着いたら宿までの移動ですが、シャモニーにはタクシーは無いのでローカルバスでの移動か徒歩での移動になります。

飛行機での移動とバスでの移動で体が固まってるので、多少の距離なら体をほぐす意味で歩くのも良いかと思います。
ヨーロッパの路面は石畳でスーツケースをゴロゴロと引きにくいのでは?と思う方も多いですが、シャモニーは普通にアスファルトなので問題ないです。

初めてシャモニーに行った時に大きなダッフルバックで行き後悔したので、今年はスーツケースを引いて行きました。

宿(ホテルor民泊)

バス停から徒歩15分くらいのところに宿を取りました。
スタート地点やデポバッグエリア、受付からも5分いないという好立地!

宿選びはかなり重要です!
レースまでリラックスする場所になるのでケチって良いことはありません。

今回の反省は宿をもう少し良いところにすればよかったという点です。

理想は下記が揃ってることですね。

  • エレベーター(荷物が多い中&レース後の足が終わった選手に階段は鬼)
  • 洗濯機(荷物が減らせる&レース後のウェアを洗える)
  • キッチン(外食は飽きるしお金がかかる)
  • 湯船がある(レース後にお湯に浸かれるのは神)
  • 部屋の広さに余裕がある
  • 清潔感がある(民泊の場合はかなり重要な要素です!!)

湯船がある宿は少ないと思いますのであれば理想という感じですかね。

部屋の広さは大事です。
今回確保した宿でも同じ悩みでしたが、日本で言う1ルームのような部屋でした。
キッチン兼リビング兼部屋とユニットバス的な感じの部屋。

そこに大人二人なのでまあまあ狭いです。
特にこの手の部屋に多いのは1つはソファベッドという作りで今回はそれでした。

一人が荷物を広げたらもうそれで部屋はいっぱいです。
小田さんが座ってるソファがベットに展開されダブルベットくらいの広さ。

僕は廊下に収納式のベッドがありそこに寝ました。

お互いトイレ行く時に気を使うし、単純に狭いのでまた〜りできないので寝る時以外はほぼテラスにいましたが、今回のシャモニーは気温がめちゃくちゃ高く昼間は31度と暑い。
日本みたいに湿度は高くないので過ごしやすいけどそれでもやっぱり暑い。

ちなみに汚くはないけど綺麗ではない部屋で、シャワールームはカビ臭く布団はあまり清潔な感じではなく知らない誰かの匂いがしました。

事前に見た予約サイトの写真から怪しい感じがしたので、対策グッズは持って行きました!

マットレスの上にエマージェンシーシートを敷いて気になる匂いのシャットアウトして、トコジラミなど万が一のトラブル対策にもなります。

そのままだったら通気性悪いしシャカシャカうるさいので、日本から持って行った大きめのブランケットみたいなも毛布を敷いて、掛け布団はアウトドア用のコンパクトになるダウンブランケット。
AXESQUINのウンカイlightを持って行きました。

これは薄手だけどかなり保温力が高いので、シャモニーの早朝の気温は10度とかでしたがロンTと長いパンツ履いておけば気にならずに熟睡できました。

あ、ちなみに宿代は4泊で12万/部屋でした。
今回は二人旅でしたので6万/人で、15,000円/日・人という感じですね

理想は宿は5,000円/人・泊を追加して2万円/人・泊で考えるとそこそこいい宿に泊まれるので、ここはケチらないほうが良いと思います。

8ヶ月前くらいから毎週くらいの頻度で予約サイトを複数見てましたが、宿によって半年先までや3ヶ月先までしか予約を受け付けてないなどもあるので細かく見てると今まで出てなかった宿が出てきたりします。

キャンセル無料の宿を押さえておいて、条件が良い宿が見つかったら乗り換えるか最初から狙い撃ちで押さえておくのが良いです。

民泊の場合持って行ったほうが良いと思うNo,1は電気ケトルです。
今回の宿もキッチン周りが微妙に汚く、備品の電気ケトルにはいつから入ってるか謎の水が1Lくらい入ったままになってました。

最近はシリコン製の折り畳み可能な電気ケトルがありググるとたくさん出てきます。

現地食費など物価

現地通過はユーロで1ユーロ160円くらいでした。
現地ではスーパーUというスーパーマーケットがたくさんあるので、ここで食材調達する人が多いはずです。

今回は5Lの水を買いましたがそれが2-3ユーロくらいで、本当はキッチンで調理予定でしたが衛生的に微妙だったのでフルーツ以外は外食にしました。

外食の場合はサラダボウルやサンドイッチ、パニーニなどがありファストフード的な軽食(と言っても量は多いです)で10〜15ユーロ/食・人くらいです。

ビールは2〜3ユーロくらいです。

レストラン的な高級ではない普通のお店で食べると、ビール2杯くらい飲んで日本円で4,000〜5,000円/人くらいでした。

びっくりするほど高くはないですが、ある程度管理しておかないと帰国してから「こんなに使ったっけ!?」な請求になるはずです。

ちなみにタイの記事の時にも書きましたが、換金はクレジットカードのキャッシングがおすすめです。

かかった費用総額

今回のUTMBにかかった総額はこんな感じでした。

  • 航空券代:往復193,460円/人
  • シートアップグレード代:150,000円/人(関空→イスタンブールのみ)
  • 非常口座席指定代:25,500円/人(イスタンブール↔︎ジュネーブ片道約3,500円、イスタンブール→関空約22,000円)
  • 高速バス代:8,000円/人(ジュネーブ空港↔︎シャモニー往復)
  • 宿代:60,000円/人

合計約41万円ですが、シートをアップグレード&非常口座席を取るなどしなければ175,500円カットできるので26万円くらいでUTMBに行くことができます。

これに現地滞在中の飲食費やお土産代などかかってくる感じです。
切り詰めたら30万くらいでいけると思いますが、なんだかんだ色々と使うと思うので35万くらい見ておけば良いかと思います。

トラブル発生!!

今回僕は大チョンボをしてしまい帰りのバスを乗り過ごしてしまいました。。。

と言うのも、往復同じバスでド派手なこのバスが来ると思って待ってたのですが・・・

真っ白のこんなバスが来て、どこにも「FLiXBUS」の案内が出ておらずスルーしてしまうという。。。

言い訳をするなら、予約したバスは14:05発でこの白いバスは14:00発のバス。
ジュネーブ空港行きのバスは何本か有り、出発時間の変更案内も来てなかったので「これは違うバス」と思い込んでました。。。

14:15になってもバスが来ず海外だから遅れるものかなとドキドキしながら待ってましたが、14:30になっても来ないのでこれはおかしいと思いバス乗り場にある有人のインフォメーションで聞いたらさっきのバスがそうだったとのこと。

しょうがないので次のバスに乗りたい旨話すと「Full!」と。
次の空きは翌日しかないとのこと。

さてどうしようと内心焦りつつも色々ググりました。
フライト時間は19:05でしたが、幸運なことに遅延の案内で19:50発になっていた。
今は14:30でジュネーブ空港までは1時間半だからまだ時間的猶予はある。

一緒に行った小田さんを不安にさせてはいけないので落ち着いたフリをしながら(おそらく焦っているのはバレてるけど)色々ググるも無理ゲー。

最悪明日のフライトに切り替えることを想定して焦りを抑えつつも、色々考える。

「あ!そうだ!!あの人がいる!!!」

バスを乗り過ごす直前にバス停で会って少し談笑した、友人でフランス在住のイチローさん!!

速攻でメッセージを送ると、乗合バスに各社電話してくれ1台確保してくれた!
ただ、乗れるのは一人。

小田さんだけ乗ってもらおうか、と思ってたらイチローさんから電話がかかってきて「首藤さんは僕が乗っけて行きますよ!今まだバス停ですか?30分でそこまで迎えに行きますよ!」と!!

神対応という言葉は気軽に使わないようにしてるけど、これが本当の神対応だ!!と本当に感謝しかない。

そんなこんなで、17時過ぎに空港に着いて帰りのフライトにも無事間に合いました。

教訓としては、今回は自分のチョンボだったけどバスに限らず飛行機でも遅延や事故などで想定していたパターンで動けなくなることもあるので、回避パターンも考えておくことですね。

特にサポートとして行く身としては選手の不安やストレスを排除することが務めなので。

不安の種、ロストバゲッジ対策

トラブルで一番気にされるのは、預け荷物が現地空港に届かず別の便に乗せられ違う空港に届いてしまうロスバゲ問題かと思います。

対策はAirtagを預け荷物に入れておくなどですが、まず必携品や変えの効かないものは機内持ち込み荷物に入れましょう。

万が一ロスバゲが発生しても、大会に必要なギア関係は全て大会のEXPOブースとシャモニー内のショップで揃います。

余計な出費になりますが「最悪全部現地調達できる!」と割り切っておくことで心の余裕を担保できます。

補給食は大会のEXPOブースで補給食メーカーがいろんな種類出てるので試食させてもらって味に抵抗感のないものを購入できます。

滞在中に「これあったら便利かも?」的な日用品は、現地のスーパーマーケットにほぼほぼ揃ってます。
高いけど。

ですので、荷物に余裕がない時はあれこれと「あったら良いかも!=なくても良いもの!」は持って行かず現地調達も視野に入れておきましょう。

もちろんパッキングして余裕がある場合は持っていっておいた方が余計な出費にならずに済みます。

総括

まとめとして、海外レースはお金にも時間的にも意識的にも余裕を持って行きましょう。

焦ると冷静な判断ができないので。

あとは、誰かと一緒に行くだけでも気が楽になるので一緒に行ける人を探すと良いかと思います。

ツアーに参加するのもいいですし、もしかしたら来年も僕も行くかも?なので声かけてくれたらまた来年もう行くかもです。

僕はツアーコンダクターではないので別途手数料的なのは取らないので(取るにはちゃんと資格が必要なのです)、「代わりにチケットや宿を建て替えてまとめて取るから一緒に行きますか!」的なノリです。

何か質問疑問ありましたらなんなりとコメントか連絡ください。

INNER-FACT 代表INNER-FACT 代表

INNER-FACT 代表

INNER-FACT代表の首藤(シュトウ)。 一部関西ではくびふじと呼ばれます。 基本的にはトレイルやランはソロでしかやらず、イベントや大会ではエイドなどスタッフ側で参加しています。

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