靴下の指のタイプはどれを選ぶのが正解なのか

靴下の指のタイプは五本指、足袋型、ラウンド(先丸)型と大きく3種類に分かれます。
中には親指と小指が独立して、人差し指と中指と薬指が一緒になった三又タイプもありますが一般的ではないのでここでは前途3種類の解説をしていきます。

以前ざっくりとINNER-FACTが展開している靴下の選び方について解説をしているのですが、今回は足指のタイプに関して深掘りしたいと思います。

こういう靴下はトレイルランには向かない

靴下の足指型の解説をする前に、下記に挙げる靴下はトレイルランには不向きだと考えています。

コットン(綿)素材

コットンはしなやかな履き心地と吸湿性には優れているのですが、速乾性の部分で難があります。
トレイルランにおいて足元をドライに保つことは最重要要素であり、ドライに保つことで足の摩擦を抑えマメのリスクを軽減できます。
また、吸湿性が高く速乾性が悪いと靴下が常に濡れている状態が続いてしまい、足の皮がお風呂に入ったようにふやけ、ロングレースではそのふやけのシワが固く足に食い込み激痛になることも。

分厚い素材

一般的にクッション性を求めて厚手の靴下を履く方が多いですが、特に五本指ソックスで厚みがあるのは絶対にNGです。
5本指ソックスは足の指一本一本が生地に包まれるので、生地に厚みがあると足指が不自然に広がってしまい親指や小指がシューズと干渉してマメや爪のトラブルにつながります。
さらに、足指が広がりすぎると足のアーチも潰れてしまうので足底の筋疲労を誘発したり、捻挫のリスクが上がってしまいます。

また、生地が分厚い分水分の保水率も高いので一度水分を吸ってしまうとなかなか乾きにくく、マメやふやけによるシワなどトラブルの誘発にも繋がります。
どうしてもクッション性を求める場合はシューズやインソールを見直すことをおすすめします。

コンプレッション系(着圧)機能

ロードランニングのソックスではテーピング効果ソックスや着圧ソックスが人気ですが、トレイルランにおいてはおすすめしていません。

トレイルランニングはショートレースでもフルマラソン以上の時間を競技し続け、常に足を締め付けてしまうコンプレッション系ソックスはその締め付けが大きなストレスになったり、着圧部分がスレの原因になりトラブル誘発に繋がります。

ロングレースだとアーチが落ちてくるなど悩みのある方もいるかと思いますが、その場合の対策は靴下ではなく直接足にテーピングをする方が効果は段違いです。

滑り止め付き

「下りではシューズ内で足が滑り指が当たって黒爪になってしまう」という理由で滑り止めを選ぶ方もいますが、INNER-FACTではおすすめはしていません。
シューズ内での足の滑りは、走り方、接地の仕方、シューズの選び方、シューズのサイジング、靴紐の結び方で改善することが多いです。
実際にトップ選手で滑り止めソックスを使っている方は見たことがなく、大半のトレイルランナーは使っていないです。

先に挙げた「走り方、接地の仕方、シューズの選び方、シューズのサイジング、靴紐の結び方」はランニングスキルを大きく改善できる可能性も秘めているので、ぜひ着目して欲しいです。

以上、これらのソックスは足のトラブルを誘発してしまったり、まだランナーとして伸びる素質を阻害している可能性があるので敬遠した方が良いと考えます。

今まで使ってきたが問題無いなどでしたら極論そのままでも良いと思いますが、靴下メーカーとして実際に大会会場で多くの選手の足元を見て、多くの選手と直接コニュニケーションをとった中での統計ではあるので信憑性は高い考察であると思っています。

足指型の特徴

前置きが長くなりましたのでここから足指型の特徴に触れていきたいと思います。
基本的にトレイルランニング目線で解説していきます。

五本指ソックス

ランニング用ソックスでは最もポピュラーな形状です。
履きにくさや、見た目の部分から敬遠する方もいますが最も人気の足指型ですね。

メリットとしては、足指一本一本が生地に包まれるので、足指の間の汗が吸着されドライ感を感じやすいです。
また、指同士のスレも軽減されるので足のマメやふやけといったトラブル軽減が最も期待出来ます。

デメリットとしては履きにくく、指と指の間に生地が挟まるので若干シューズサイズが変わることもあります。
また、指同士が密着していないので保温効果が少なく、冬場は指先の冷えを感じやすくなります。

足袋型ソックス

数年前より愛用者が増えてきている足袋型。
トラブルが起きやすい親指のみ生地に包まれており、他の4指はまとまっているため保温効果も高い。
五本指とラウンド型のいいとこ取りの形状なので、INNER-FACTとしては一押しです。

また、親指と人差し指の間に刺激が入ると体幹が内に締まるというデータもあるため、体幹バランスの向上が期待出来ます。

一番おすすめの使い方はデポバッグに入れておくこと。
ロングレースでは後半指が浮腫んだり足が汗で湿って履きにくいなどあるあるですが、それらのストレスもほぼ感じないです。

デメリットはほぼほぼ見当たらないので、試したことない方は是非一度使って見てください。

ラウンド型

足指が分かれておらず最も履きやすいタイプ。
日常履きや普段の練習の短い時間に使いやすく、五本指は面倒臭い!という方に人気です。
ただ、実は五本指と比較すると売れ方は1/50以下とあまり使っている方が多くないタイプでもあります。

メリットとしては足指同士が接しているので保温効果が高く、冬場など寒さを感じるときは足指の冷え予防に最も効果的です。
その分蒸れやすいので特に夏場はドライ感を感じにくくトラブルも生じやすい特徴も持っておりシチュエーションに合わせて選びましょう。

まとめ

最後に足指型によってのおすすめのシチュエーションをご紹介しておきます。
一通り揃えておくと天候状況によって選択出来るので、悩みがある際は今まで使ったことがないタイプも挑戦して見てください。

■五本指ソックス
雨天時や、前日雨が降ってウェットコンディションが想定されるレース。
夏場の滝汗レースにもオススメ。
足のマメやふやけなどに悩んでいる方は五本指。

■足袋型
天候や季節問わず使いやすい。
サクッと履けて着脱のストレスを抑えたい方にオススメ。

■ラウンド型
冬場の足指の冷えが気になる季節。
パッと履いてサッと練習に行きたい時などにオススメ。
INNER-FACT 代表INNER-FACT 代表

INNER-FACT 代表

INNER-FACT代表の首藤(シュトウ)。 一部関西ではくびふじと呼ばれます。 基本的にはトレイルやランはソロでしかやらず、イベントや大会ではエイドなどスタッフ側で参加しています。

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